福島の人々の体験が地層となった「おらほの物語」…全米図書賞・柳美里さんが記者会見

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 全米図書賞・翻訳文学部門で小説「JR上野駅公園口」英訳版が選ばれた柳美里さんが11月19日、オンラインで記者会見に臨み、自ら書店を営む福島・南相馬の人々への思いを語った。主なやり取りを紹介する。

原発周辺地域の方々へのプレゼントに

――受賞、おめでとうございます。
 ありがとうございます。南相馬市(福島県)の小高区で本屋をやっているんですけど、昨日の夜、地元の方たちが全米図書賞を取れるといいねって、口々におっしゃっていたので。取れないんじゃないかなと思っていたけど、もし取れたら皆さん喜んで下さるだろうし、取れなかったらがっかりさせちゃうなあ、と思っていた。そういう気持ちで昨日はすごく緊張していました。

全米図書賞の翻訳文学部門を受賞しオンライン記者会見で喜びを語る柳美里さん
全米図書賞の翻訳文学部門を受賞しオンライン記者会見で喜びを語る柳美里さん


 私は18歳の時に書くことを仕事に選んで、現在52歳なので、30年以上、書き続けています。小説を書き始めたころには、文学賞を続けていただいて、野間文芸新人賞、泉鏡花文学賞、芥川賞、その前に岸田戯曲賞もいただいたんですけども、その後結構、長い間、文学賞にご縁がなくて、この『JR上野駅公園口』も日本の文学賞は受賞をしていません。すごく久しぶりの文学賞が全米図書賞で、久しぶりに発表を待つ緊張感というのを味わいました。


 でも大きく違うのは20代のころの文学賞は、芥川賞を含めて発表を待つとき、自分のためだったんですね。自分の幼少期からの苦労してきた過去や、小説家としてのこれからのキャリアというか、未来のために芥川賞を受賞できればいいなという思いが強かった。


 けれども、この全米図書賞に関しては、地元の方が「おらほの物語」だという風に、自分たちの物語だと言ってくれる。原発事故、津波、去年の台風19号の被害が大きく、そのうえに新型コロナの感染拡大でみなさんとても苦労されている。この福島県の浜通り(県東部)の原発周辺地域の地元の方の、皆さんへのプレゼントになればいいなと思って、何とか受賞できないかなという風にずっと思ってました。

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1639307 0 エンタメ・文化 2020/11/19 17:46:00 2020/11/20 05:19:12 2020/11/20 05:19:12 全米図書賞翻訳文学部門を授賞しオンライン記者会見で喜びを語る柳美里さん https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201119-OYT1I50047-T.jpg?type=thumbnail

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