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「半沢直樹」で熱演、柄本明「役者はセリフと闘うことになる」

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 柄本明が演出し、出演もする舞台「てにあまる」が、19日から来年1月9日まで池袋の東京芸術劇場プレイハウスで上演される。ドラマ「半沢直樹」の大物政治家役が強烈だったために「食えない男」のイメージが広まったが、ポツポツと語る言葉には芝居への誠実さがにじむ。(編集委員 祐成秀樹)

広い空間を持つ東京芸術劇場プレイハウス(834席)での演出に挑む。「これまで一番大きいところで本多劇場(386席)。どうなるんですかね」=関口寛人撮影
広い空間を持つ東京芸術劇場プレイハウス(834席)での演出に挑む。「これまで一番大きいところで本多劇場(386席)。どうなるんですかね」=関口寛人撮影

 「分かんないです」。今回の取材で多く聞いた答えだ。別に意地悪をされている気はしない。72歳の名優は、主宰する劇団「東京乾電池」で別役実らの不条理劇を上演したり、今村昌平や新藤兼人ら巨匠の映画で数奇な人生を演じたりしてきた。それだけに、物事や人間が「分かりやすいはずがない」と考えているのだろう。

 今作の作者は松井周。どこかゆがんだ人物がうごめく独特の戯曲を書いてきた異才だ。ただ、オファーがあるまでは「知らないです」。そこでお酒を飲むなど会話する機会を持ち、乾電池の公演や稽古場も見てもらった。「何年しても人間が分かることはないでしょうけど、まあ大丈夫じゃないかと」

 松井が書いたのは、コロナ下の重苦しい空気の中で展開する4人芝居だ。主人公はベンチャー企業を経営する男(藤原竜也)。過去を知る老人(柄本)、離婚したい妻(佐久間由衣)、部下(高杉真宙)との関係がもつれるうちに、男は壊れていく。一読した感想を聞くと「分かんないですね」ときっぱり。「せりふを言って、どんな世界が立ち上がるのか。役者はせりふと闘うことになるんでしょう」

 では演出家の役割は? 「(名監督)溝口健二さんは俳優に『反射していますか』って言ったらしいですが、僕が見れば何か反射するかも。すると、面白いにしろ、つまらないにしろ何かは生まれる」。尋ねるうち、やっと今作の核心に触れた。「不安。人間の中に存在する不安が見えてくるということなのかなあ」

 淡々と語るが、2020年はいろいろあった。

 3月は、旧知の別役と志村けんが死去した。長年コント番組で共演した志村の新型コロナウイルスによる死は「大ショックです」と振り返る。「日本の宝のような方。コントの時は少し合わせて、スタジオに入ったら即本番。怖いですし、緊張した。もう仕事ができないと思うと悔しい。コロナを憎みます」

 6月は、一人芝居「煙草の害について」のオンライン生配信に挑んだ。演じた後は「文化芸術は生き物。それが死ぬことは人間が死ぬことに等しい」と訴えた。

 その後は、「半沢直樹」で主人公に立ちはだかる“ラスボス”箕部幹事長役を熱演した。「いやいや、まあ、そういう仕事ですからね。一生懸命やりましたけど」と照れる。

 来年の展望を聞くと、穏やかに語った。「劇団で仕事をやっていくんでしょう。少人数の芝居でお客さんをそんなに入れなければリスクは少ないですから。別役さんの芝居をやる分にはセットはいらないし」

 「てにあまる」の問い合わせは、(電)03・3490・4949。

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1703959 0 エンタメ・文化 2020/12/16 09:55:00 2020/12/16 16:11:58 2020/12/16 16:11:58 舞台「てにあまる」を演出、出演もする俳優の柄本明さん(1日、東京都新宿区で)=関口寛人撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201211-OYT1I50055-T.jpg?type=thumbnail

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