「鬼才」キム・ギドク監督、コロナで死去…「嘆きのピエタ」でベネチア金獅子賞
完了しました

【ソウル=上杉洋司】韓国紙・朝鮮日報によると、韓国の映画監督キム・ギドク氏(59)が11日、新型コロナウイルス感染症により、滞在先のラトビアの病院で死去した。代表作の「嘆きのピエタ」が2012年のベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を獲得するなど数々の映画祭で受賞歴があり、「鬼才」と称された。
「悲夢」でオダギリジョーさんを主演に選ぶなど、日本人俳優も起用した。近年は、東京電力福島第一原発事故を題材にした「STOP」が話題になった。
海兵隊員、路上画家などを経て、1996年に監督デビュー。2000年の「魚と寝る女」で注目を集めた。
極限状況下のドラマを通して人間の本質をあぶり出す作風で知られ、04年の「サマリア」がベルリン国際映画祭の銀熊賞(監督賞)、12年の「嘆きのピエタ」がベネチア国際映画祭の最高賞・金獅子賞を受賞するなど世界的に評価される一方、作品の暴力性から、韓国内ではしばしば批判を浴びた。
近年は、南北分断をテーマにした16年の「The NET 網に囚われた男」など、社会的状況を背景にした作品に挑んでいた。