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瑛太「七之助さんとは唇と唇が…」、ドラマ「若冲」同性の垣根なく

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天才絵師を取り巻く美意識高い系の男たち

 超絶技巧で知られる江戸時代の絵師・伊藤若冲(じゃくちゅう、1716~1800)。最高傑作「動植綵絵」誕生に至る秘密を、彼を取り巻く才人たちとの交流からあぶりだす時代劇「ライジング若冲 天才 かく覚醒せり」がNHKで放送される。若冲(中村七之助)に禁断の情念を抱きながらその才能を見いだした禅僧・大典顕常(だいてんけんじょう)役の永山瑛太は「俗にいうBL(ボーイズラブ)として見てもらうのも面白い」と話す。

若冲(中村七之助)は懸命に絵を描き続ける
若冲(中村七之助)は懸命に絵を描き続ける

 京都の青物問屋の長男として生まれた若冲は、一度は家業を継ぐが、やがて絵にのめり込み、細密な描写と華麗な色彩の花鳥画で頭角を現した。孤高の偏屈との印象もあるが、周りには外見も発言も刺激的で美意識の高い男たちがおり、彼らとの交流の中で奇才へと進化していった。

若冲の周りには、池大雅(右から2人目、大東駿介)、売茶翁(右端、石橋蓮司)、後の円山応挙(左端、中川大志)ら才人たちがいた
若冲の周りには、池大雅(右から2人目、大東駿介)、売茶翁(右端、石橋蓮司)、後の円山応挙(左端、中川大志)ら才人たちがいた

 ドラマはその点をクローズアップ。道端で茶をたてる謎の老人・売茶翁(ばいさおう)(石橋蓮司)、山登り好きで風景画が得意な池大雅(いけのたいが)(大東駿介)、貧農出身ながら後に円山応挙(まるやまおうきょ)として名をはせた岩次郎(中川大志)らと、若冲が織りなす濃密な日々をつづる。とりわけ、終生の理解者で名プロデューサーだった大典との関係を物語の軸とし、大胆な仮説に基づき、名画誕生の経緯に迫った。

ホテルに炊飯器、玄米食べ続け禅僧役に

 「役者人生で宝物になった作品」と記者会見で振り返った七之助は、若冲作品を目にした時、「固まりました」と衝撃度の強さを明かした。「彼には対象の内面まで見えていて、それを色で表現した。リアルとも違い、絵の中にうごめく何かがある」と特長を探り当てた。その才能を引き出してくれる大典役の瑛太とは初共演。「最初の撮影で瑛太さんの目を見た瞬間、これは引っ張っていってくれる」と役柄同様、身を任せることにした。

大典(永山瑛太)は若冲の最大の理解者だ
大典(永山瑛太)は若冲の最大の理解者だ

 その分、大典のほうが難役かもしれない。若冲が描いた鶏の絵を初めて手に入れた時の場面を引き合いに、瑛太が語る。「じっと絵を見つめながら大典は『何かへんなものが見えとるな』とつぶやく。表面的ではない、人間の心の奥にある未知のものを若冲が描きだし、それが大典にも見えている」。仏門に身を(ささ)げながらも、芸術に対する第六感的な感性を持ち合わせ、だからこそ“神気”を放つ若冲にひかれてしまう。極めて繊細な感性を持つキャラクターだ。

 瑛太は僧侶役は初めて。粗食で生きる姿を体の内側から作り出そうと、撮影1週間ほど前から肉など動物性の食べ物を抜き、玄米を主食とした。撮影中はホテルに炊飯器を持ち込み、朝から玄米を水につけて炊きあげ、山菜と共に弁当にして現場に持ち込んだ。「体の中から動物性のものがなくなるので、普段、魚や肉によって生まれるエネルギーとは違うものが流れてくる。楽しんで続けられた」。七之助と食事に出かけたときも、「ベジタリアンなので」と野菜しか口にしなかったという。

歌舞伎で培った心の安定感、七之助に脱帽

 友情とも愛情ともつかぬ感情を注ぎ込まれた若冲が絵師として次第に目覚めていく過程が大きな見どころ。ここは七之助の芸の真骨頂だ。七之助はドラマ初主演というが、瑛太が脱帽する。「若冲が芸術の高みに向かって覚醒していく演技の流れが緻密(ちみつ)。歌舞伎役者として培ってきた心の安定感があるし、男としてのカッコ良さはもちろん、女形を演じられてきたことによる妖艶(ようえん)さもある」

「御仏を描いてほしい」と若冲に迫る大典
「御仏を描いてほしい」と若冲に迫る大典

 若冲と大典の微妙な関係は、物語が進むにつれ、まさに恋人どうしのようになる。「2人には同性どうしという垣根がなくなっている」と瑛太。若冲に御仏を描いてほしいと懇願する場面では、「あえてものすごく顔を近づけ、唇と唇がくっつくぐらいに演じた。エンターテインメントとして見ても、ドキドキできるようチャレンジした」ときっぱり。大典に“迫られた”七之助も「瑛太さんは役になりきりつつ、視聴者のことも考えており、とてもやりやすかった」と話す。

 本作には現代的な意義もあると瑛太はみる。「今よりもずっと厳しい時代に命がけで芸術に身を投じ、それを広めようとした男どうしの深い絆の物語。コロナ禍で大変な状況だが、日本文化の素晴らしさを一瞬でも感じていただければ」

 放送はNHK総合テレビ、BS4Kで1月2日午後7時20分から75分。BSプレミアムでは、同16日午後9時から90分の完全版を放送する。

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1733354 0 エンタメ・文化 2020/12/27 09:41:00 2020/12/27 14:03:00 2020/12/27 14:03:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201223-OYT1I50055-T.jpg?type=thumbnail

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