勢い止まらぬ「JO1」の成功、オーディション番組は「戦国時代に突入する」
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オーディション番組から飛び出した“グローバルボーイズグループ”JO1の勢いが止まらない。昨年デビューし、これまでに出した2枚のシングルはヒットチャート首位を記録。初アルバムも好調な売れ行きをみせ、各企業とのタイアップも広がる。リーダー與那城奨に、現在の思いを聞いた。(池内亜希)

昨年11月、初めてのアルバム「The STAR」を出しました。抑揚のつけ方や発声方法など、歌い方一つとっても、デビュー時と比べると大きく成長していると思います。その姿を感じてもらえたらうれしいです。
歌手を目指していた僕は、友人から聞いて、このオーディションに挑戦しました。挑戦者101人全員で大きな舞台に立って踊った番組初期のことは、今でもよく覚えています。何人もの練習生が落ちていく中、おのずと責任感が生まれていったと思います。
最終の選考でメンバーとして名前が呼ばれた時は、実感がわかなかった。喜びのような、驚きのような、何とも言えない気持ちでした。
昨年は(コロナ禍で)我慢の時間も長く、活動を模索した1年でもありました。その分、ファンが支えてくれるありがたさを実感しました。今年は、もっと皆さんの前でパフォーマンスがしたいです。オーディションを経験し、僕たちは何事も諦めず、努力を惜しまない力がつきました。これからも、お互い
◆JO1(ジェイオーワン)=応募総数6000人から選ばれた101人がダンスや歌などの課題に挑戦し、視聴者が選考。勝ち残った11人で結成した。2020年3月にシングル「PROTOSTAR」でデビュー。メンバーは18~25歳で、現在、共同生活を送っている。今月27日、初の写真集「Progress」が発売される。
韓国人気番組の日本版

オーディション番組をきっかけに世に出た人気者は数多い。

1970~80年代に一時代を築いた山口百恵やピンク・レディーらは、日本テレビ系「スター誕生!」の出身。予選を勝ち抜いた参加者から、レコード会社が有望株をデビューさせた。平成に入り、モーニング娘。を生んだのはテレビ東京系「ASAYAN」。つんく♂のプロデュースのもと、彼女たちが与えられた試練を乗り越えていくさまも注目され、ヒットを連発した。
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そしてまたオーディション番組が熱い視線を浴びる。2019年、韓国の人気番組の日本版「PRODUCE 101 JAPAN」がスタート。世界で活躍するグループを目指し、候補者101人からメンバー11人を絞り込んでいくという内容で、サイト「GYAO!」で配信。TBS系では初回と最終回を放送した。JO1はここで生まれ、洗練されたダンスと歌、スタイリッシュなルックスで人気を獲得。昨年デビューした。
番組の特色は、「国民プロデューサー」と呼ばれる視聴者が投票で直接選考すること。応援するメンバーの順位を上げようと、投票の度にファンの思いは高まっていった。また、韓国版は、芸能事務所に所属する若者らから選考したが、日本では一般から参加者を募集。大勢のファンの前で結果を発表するなど、ショー的な演出も話題となった。
「応援してアーティストを育てたいという日本独特の文化に合う形と、予算をかけた華やかな番組作りで、人気を呼んだのでは」と、JO1の所属するLAPONEエンタテインメントの
同様にオーディションを追った番組で注目を集めたガールズグループ、NiziUも成功している。「PRODUCE 101 JAPAN」SEASON2も今春放送予定だ。続く存在の登場に期待が高まる。