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「恋つづ」1841万回再生…テレビ離れにあらず、完全定着した見逃し視聴

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「想像以上のニーズ」TVer5年

TVerで見逃し視聴ができる日本テレビ系「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」。菅野美穂(左)と浜辺美波が親子役を演じる 
TVerで見逃し視聴ができる日本テレビ系「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」。菅野美穂(左)と浜辺美波が親子役を演じる 

 かつて連続ドラマの初回視聴率は、番組の成否を決する最大のカギと言われた。しかし今では、放送後1週間程度の番組配信が完全に定着、物語の展開に容易に追いつけるようになった。無料キャッチアップ(見逃し配信)が旗印の「TVer」はサービス開始から5年。その利用状況からは、連ドラ視聴率の推移に好影響を及ぼし、リアルタイム視聴に回帰していることがうかがえる。テレビ離れと言われて久しいが、まだ「番組離れ」までは起きていないようだ。

 「想像以上にニーズがあった」

 2015年10月にサービスを開始した当初の状況を同社・龍宝正峰(りゅうほうまさみね)社長が振り返る。在京民放5社が中心となり、各局10番組程度を目指して始まったTVer。半年間でアプリのダウンロード数100万を目指していたが、ひと月もたたずに達成し、1年ほどして各局の連ドラが並ぶようになると、キャッチアップサイトとして定着していったという。

 現在は在阪局も参加。夜の時間帯を中心に300番組程度が常時見られる。月に1度以上、TVerで番組を再生した人の数は、昨年9月に1350万と過去最高を記録。同12月はさらに増える見通しだ。テレビのリアルタイムの視聴者とは比べものにならないが、順調に増えているのは間違いない。同社などの調査によると、TVerの認知率は、全国15~69歳の男女で6割を超え、とくに10代女性では、SNSによる拡散効果もあり、74・5%に上っている。

新作連ドラ、スマホで…ほとんどが家庭内

 TVerには、バラエティーやドキュメンタリーも並ぶが、圧倒的人気は新作の連ドラだ。ビデオリサーチによると、昨年7~9月期の番組再生数は、TBS系「私の家政夫ナギサさん」が1673万回(全10話合計)でトップとなったほか、上位はすべて連ドラ。これまでの最高再生回数は、昨年1~3月期のTBS系「恋はつづくよどこまでも」(恋つづ)の1841万回となっている。

17日から始まるTBS系「天国と地獄~サイコな2人」。刑事(綾瀬はるか、写真)と殺人鬼(高橋一生)の魂が入れ替わる物語。キャッチアップ効果も期待される(C)TBS
17日から始まるTBS系「天国と地獄~サイコな2人」。刑事(綾瀬はるか、写真)と殺人鬼(高橋一生)の魂が入れ替わる物語。キャッチアップ効果も期待される(C)TBS

 今年1月期も、日本テレビ系「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(水曜後10時)、TBS系「天国と地獄~サイコな2人」(17日から、日曜後9時)など、各局のイチオシ連ドラが放送後に順次ラインアップされる。

 利用者増の背景はもちろんスマホの普及だ。龍宝社長が語る。「5年前にサービスが始まった時、ドラマをスマホで見る人なんていないと思っていたが、圧倒的に多くの人がスマホでドラマを見ていた」。ただ、視聴する場所については誤算もあった。「スマホならどこでも見られるようだが、やはりWi-Fi環境が整っていないと難しいし、ユーザーにその分の負担を強いることになる」。その結果、最も見られている場所は家庭内だ。「利用されるのは主に午後11時台。帰宅してくつろいで、お風呂でも入った後にふと手元で見たり、ベッドで見たり」

 ただ、ここ1、2年は見逃し配信をテレビそのもので見る傾向が強まっている。テレビにネットをつないでいる家庭が広がっているからだ。「昨秋時点で、スマホで見る人が七十数%、パソコンが14%、テレビは13%。この中でテレビ利用者が増えている」。これにはコロナ禍も影響している。「巣ごもりの時期にネットフリックスやアマゾンなどの有料動画サービスをテレビで見る習慣が生まれ、それにも後押しされた」

 TVerは無料で使えるぶん、CMが入る。リアルタイム視聴と同様、飛ばすことができず、「CMの完全再生率が非常に高く、広告出稿の場としてクライアントの方々から評価を頂いている」。放送局の番組考査を経た番組しか並ばないので、広告主も安心できる。とはいえ、月間の再生者数はまだ1000万台。「早く2000万、3000万台にまで伸ばしていかないと」。媒体価値の拡張は急務だ。

本放送の視聴率、尻上がり効果も

 ユーザーが増えたことで本放送の視聴率への好影響も出ている。「5年前は、初回が高くても、あとはどんと落ちるドラマが多かったが、最近は初回だけ視聴率が高いわけではなくなっている。初回を見逃してもついてこられるようになり、後半に向かって数字が上がる傾向が表れている」。実際、ビデオリサーチによると、「恋つづ」の関東地区の世帯視聴率は、初回は9・9%だったが、その後はおおむね上昇傾向となり、最終話は15・4%。20年前の感覚では考えられない伸び方で、若者を中心に根付いたキャッチアップ文化の恩恵とも言えよう。

今期も新ドラマ特集が始まった
今期も新ドラマ特集が始まった

 とはいえ、若年層を中心にした「テレビ離れ」も事実だ。この点、龍宝社長は「そうは言っても『テレビコンテンツ離れ』に行く前にギリギリセーフだったのかもしれない」と指摘。キャッチアップは、各局サイトやGYAO!でも展開しているが、「差別化する必要はない。各局番組を見やすい状況に置いて利用者が触れられる環境づくりを一緒に行えれば」と共闘を訴える。

 「コンテンツの強さ。それがすべてなんですよ。でも、それらをまとめて見やすい環境に置いて展開することも重要。テレビ局には、もはやいい番組さえ作ればいいと考える昔ながらの職人肌の人間はいない。今の若いクリエイターたちは、自分たちの作ったコンテンツをテレビを含め様々な形で見てもらいたいと考えている」

 コストをかけずにそれらを実現する。難しい選択を各局ともに迫られている。

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1776043 0 エンタメ・文化 2021/01/17 10:30:00 2021/01/17 11:47:37 2021/01/17 11:47:37 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210112-OYT1I50052-T.jpg?type=thumbnail

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