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真っ黒に日焼けした井上真央、顔ゆがめ米俵を担ぐ…女性は「強くならざるを得なかった」

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 1918年(大正7年)に富山県で起きた「米騒動」を軽妙なタッチで描く「だいコメ騒動」(本木克英監督)が、公開中だ。男性優位の時代に、名もなき女性たちが社会を動かした歴史的な出来事。ヒロイン役の井上真央は「この映画ならではの爽快さに触れてもらって、新年から元気で、明るい気持ちになってほしい」と語る。(右田和孝)

「昔の女性は強いなあと痛感しました。私も強くありたい」=宮崎真撮影
「昔の女性は強いなあと痛感しました。私も強くありたい」=宮崎真撮影

 富山の貧しい漁村。いと(井上)は、3人の子供を抱える賢い母親。夫(三浦貴大)が季節労働で不在の間、家庭を支えるため、肉体労働にいそしむが、米の値段は高騰するばかり。不満から、浜のおかか(女房)たちと起こした小さな騒ぎが、「暴動」として新聞に載ってしまう。

 「夫から『学問で腹がふくれるわけではない』と言われる場面が象徴するように、当時の女性の役割は労働に励んで家族を食べさせることでした。女性にとって、自分のやりたいこともできず、意見も通らない社会の厳しさに思いをはせました」

家族を守ろうと立ち上がっていく、いと(井上)(C)「大コメ騒動」製作委員会
家族を守ろうと立ち上がっていく、いと(井上)(C)「大コメ騒動」製作委員会

 清楚せいそな雰囲気をまとう井上が、まっくろに日焼けした顔をゆがめて、米俵を担いで歩くシーンが印象的だ。米1俵は60キロ。撮影では、それに準じた重さのものから軽いものまで3種類の米俵が用意されたそうだ。「重量感が出るようになるべく重いものを背負うようにしていました。朝から日が暮れるまで、重い米俵を背負って働いた女たち。その苦労を思うと、今でこそ当たり前のように食べているお米ですが、ひと粒も無駄にできないという気持ちになりました」

 見どころは、当初は不安な表情を浮かべていた、いとが、社会と向き合ううち、母として、おかかたちを引っ張る存在として、たくましく成長していく姿だ。

 「強くならざるをえなかった、というのが本当のところでしょう。現代は、困ったらいろんな人にSOSを出せる環境にあるけれど、当時の女性は自分で何とかしなければならないという思いで生きていたはず」

 地元出身の本木監督が約20年前から温めてきた題材。出演者も、室井滋、立川志の輔、柴田理恵ら、富山出身の俳優らが集い、地元の女性たちもエキストラで大勢参加している。「みなさん小さい頃から米騒動のことを聞いて育ち、もしかしたら先祖が関わっていた人がいるかもしれないわけで、作品への思い入れの強さを感じました。そのパワーに背中を押されていました」

 いま、「米騒動」について思いを新たにしているという。「大事なのは、おかかたちが、大きく世の中を変えるつもりで動いたわけじゃないということです。ただ、子供や旦那さんにおなかいっぱいになってもらいたいという小さな願いが積み重なった結果として、社会を動かしたのです」

 そして、こう言葉を添えた。「だから現代でも、世の中が平和になるために必要なものは、そうした一人ひとりのささやかな望みなのだと思います」

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1774378 0 エンタメ・文化 2021/01/16 09:40:00 2021/01/16 16:19:58 2021/01/16 16:19:58 子どもら家族を守ろうと立ち上がっていく、いと(井上真央) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210115-OYT1I50062-T.jpg?type=thumbnail

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