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石原裕次郎・渡哲也に続き、舘ひろしも目指す映画製作「創ることは遊ぶこと」

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<STORY3>

 「私が一番信じていないのは、自分の芝居で――」

 2018年、映画「終わった人」で、モントリオール世界映画祭の最優秀男優賞を受賞した際の記者会見。謙遜とも本音とも受け取れる言い回しで、会場を笑いにつつんだ。

米田育広撮影
米田育広撮影

 芝居とは、独特のスタンスで向き合ってきた。語りぐさになっているのは、長い間、せりふを覚えないで撮影にのぞんできたこと。現場では視線の先々に、せりふを書いた「カンペ」を貼っていた。

 「デビューの時からそうで。僕の中では、その場で覚えられないようなせりふは、良いせりふじゃないって、勝手に思い込んできましたから。困ったやつです」と苦笑する。

 だが、そのスタンスは、芝居の楽しさ、奥深さに気づかせてくれる存在と巡り合うことで少しずつ変わってきた。その一人が、脚本家の倉本聰。1999年の「玩具おもちゃの神様」(NHK)などの倉本ドラマに出演している。

 「脚本の『てにをは』も変えちゃいけないことで有名なあの倉本先生が、『舘君、いいよ、せりふは適当で』って。そう言われると、じゃあ、書かれている通りに一度やってみようと。せりふの呪縛を受けながら芝居をやっていくと、どうなるかがよくわかりました」

 脚本に書かれている通りには、どうしても言いづらいせりふが出てくる。口はモゴモゴとまごつく。

 「でも、倉本先生は『オッケー』を出す。聞こえなかったとは言わない。おそらくそういうふうに言わせたくて書いているんだと思うんです。そこを読み解いていくのが、パズルみたいで、すごく面白くて」

 そしてもう一人は、柴田恭兵。86年にドラマシリーズ第1作が始まった「あぶない刑事」で、タカ(舘)とユージ(柴田)というバディの刑事役で共演した。「それまで割と攻撃的な芝居をしていたのが、恭様(柴田)と出会えて、(相手を)受ける芝居ができるようになりました。自分が変わった気がします」

 刑事ものから、コミカルな現代ものまで、俳優としての幅を広げてきた。2020年には旭日小綬章を受章した。デビューから45年、古希の今、目指すところを尋ねると、「全くないです」と言った後、続けてこう話した。

 「ただ、やっぱり、どこかで、映画を作りたいですね。石原裕次郎さんも、渡哲也さんも作りたかった。ぼくは最初から、俳優になるつもりは全くなかったけれど、ものを作ることは、もともとすごく好きなんです。何か、こう、遊べる……」

 「そうそう、倉本先生の『玩具の神様』に〈創るということは遊ぶということ〉っていうせりふがあるんです。ああ、確かにそうだなって。いま、その意味がやっとわかった気がするなあ」(右田和孝)

(おわり)

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1807509 0 エンタメ・文化 2021/01/30 05:00:00 2021/02/06 09:44:28 2021/02/06 09:44:28 1月16日付けエンタメ面、映画「ヤクザと家族」に主演する舘ひろしさん(12月14日、東京都港区で)=米田育広撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210129-OYT1I50070-T.jpg?type=thumbnail

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