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岩手・遠野に子どもの本の図書施設を…安藤忠雄さん一問一答

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 「スマホで心は育たない」――。

 世界的建築家の安藤忠雄さん(79)が今、東日本大震災の被災地の「文化復興拠点」として、岩手県遠野市に子ども向けの図書施設を整備している。7月にオープンする「こども本の森 遠野」だ。施設は建設後、市へ寄贈する計画で、児童書や絵本など約1万2000冊が並ぶという。震災から10年。なぜ「遠野」に「本」なのか。安藤さんに聞いた。

(聞き手・大阪文化部 藤本幸大)

「育つ」ことへの支援

――東日本大震災後、被災地の子どもたちへの支援を続けてこられました。

安藤忠雄さん(大阪市北区の安藤忠雄建築研究所で)
安藤忠雄さん(大阪市北区の安藤忠雄建築研究所で)

 東日本大震災後、私は復興構想会議に参加しました。会議の議長だった五百旗頭真さん、特別顧問だった梅原猛さんらと東北に行き、被災地の絶望的な風景を見て「復興できるんだろうか」と思ったんです。街が育つのはもちろんですが、家族も子どもも育たないといけない。「育つ」ということに対して、何か支援できないだろうかと、親を失った子どもたちのための育英資金を考えました。

 ノーベル賞受賞者の野依良治さんや小柴昌俊さん、ユニクロの柳井正さんらと始めたのが「桃・柿育英会」です。1口毎年1万円で、10年間サポートしてくれる人たちを募ったところ、約52億円が集まりました。昨年でその活動は終了しましたが、よく集まったと思います。大阪市の安藤忠雄建築研究所に事務局を置き、いただいたお金は全額、被災地に送りました。子どもたちのもとに全て届けることができて、ほっとしています。

――「こども本の森 遠野」を構想した背景は?

 大阪で図書施設「こども本の森 中之島」の話がスタートしたので、東北でも何かできないかと考えたんです。

――なぜ、遠野だったんでしょう。

 かつて遠野を訪れた時、柳田国男が書いた「遠野物語」の世界に引きつけられました。「遠野物語」には、日本人の心の原点があると思います。次の時代を担う子どもたちに、そんな心の世界を大切にしてほしい。河童(かっぱ)伝説や座敷わらしの話などを通して、心を広く、強く持ち、豊かに物事を考えてほしい。そして古里に対する誇りを持ってほしい。そんな思いでした。

「こども本の森 遠野」のイメージを描いたデッサン=安藤忠雄建築研究所提供
「こども本の森 遠野」のイメージを描いたデッサン=安藤忠雄建築研究所提供

 米国の「鉄鋼王」、アンドリュー・カーネギーは、郵便配達していた少年時代に多くの本を読み、それが自分の力になったというんです。カーネギーは引退後、私財を還元したいとアメリカ中に図書館をつくったんですが、私も一つぐらい自分が生きた証しとして、子どもたちのサポートをしたいと思った。それで「こども本の森 中之島」を構想し、「こども本の森 遠野」にもつながったんです。

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1855034 0 エンタメ・文化 2021/02/20 11:03:00 2021/02/20 11:24:24 2021/02/20 11:24:24 インタビューに答える建築家の安藤忠雄さん(20日、大阪市北区で)=長沖真未撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210216-OYT8I50070-T.jpg?type=thumbnail

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