読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

加害者である前に「被害者」だった…女子少年院の少女たちとのやり取りを書籍化

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 少年院を出た人たちによる自助グループのメンバーで、都内の高校で事務職員をしている中村すえこさん(45)が、女子少年院の少女たちとのやり取りをつづった書籍「女子少年院の少女たち 『普通』に生きることがわからなかった」を出版した。中村さんは「貧困や虐待など、少女たちは加害者である前に被害者だった。人は変われると信じ、手を差し伸べられる社会になってほしい」と願っている。

自身も入院していた榛名女子学園の少女たちとのやりとりをつづった書籍を出版した中村すえこさん
自身も入院していた榛名女子学園の少女たちとのやりとりをつづった書籍を出版した中村すえこさん

 中村さんは15歳で少女たちの暴走族「レディース」のリーダーとなり、敵対するグループとの抗争による傷害事件で女子少年院に入った。出院後、覚醒剤の使用で再び逮捕された。中村さんは当時、妊娠しており、母親から「おなかの赤ちゃんを守れるのは、お母さんだけ」と言葉をかけられたことで、更生を誓ったという。

 2度の結婚と離婚を経て4児の母になり、昨年3月には働きながら通信制大学を卒業し、社会科教員の免許を取得。2009年には出院者らによるNPO法人「セカンドチャンス!」を仲間と創設し、メンバーとして全国の少年院での講話を続けている。

 書籍出版のきっかけは、女子少年院での講話で、少女たちから話を聞いたことだった。ある少女からは「自分は幸せになってもいいんですか?」と質問された。性的虐待に耐えかねて養父を刺した少女と出会い、「環境が違ったり、誰かが手を差し伸べたりしていれば事件は起こらなかったのでは」と感じたこともあったという。

 こうした体験から、法務省から撮影許可を得て、クラウドファンディングなどで資金を集めてドキュメンタリー映画の監督に挑戦。かつて中村さんも少女時代を過ごした榛名女子学園(群馬県)で出院を控えた少女4人が出演する「記憶」を19年に完成させた。

 書籍では、映画では描ききれなかった思いを伝えた。母親とともに薬物依存となっていた少女の話を聞くうちに、周囲の支えがなければ自分もこの母親と同じようになる可能性があったことや、救いの手は少女だけでなく、親にも必要だと感じたことなどを盛り込んだ。更生には「一人ではない」と思えることが大切で、子どもに愛情を与えられるのは親だけではないことも記した。

 中村さんは「本や映画をきっかけに、それぞれの立場から、彼女たちのやり直しのために必要なことを考えてもらいたい」と話している。

 書籍はさくら舎(千代田区)が出版。1400円(税別)。中村さんは4月から男子が入る少年院でのドキュメンタリー映画の撮影も予定しており、来夏の完成を目指している。

無断転載・複製を禁じます
1858016 0 エンタメ・文化 2021/02/21 14:27:00 2021/02/21 16:27:03 2021/02/21 16:27:03 自身も入所していた榛名女子少年院の少女たちとのやりとりをつづった書籍を出版した中村すえこさん https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210221-OYT1I50032-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)