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【独自】色川武大、晩年の日記…「狂人日記」と共通の描写

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 「阿佐田哲也」の筆名で書いた「麻雀マージャン放浪記」などで人気を博し、本名では純文学作品を残した作家の色川武大いろかわたけひろ(1929~89年)の晩年の日記が発見され、26日に配信される「色川武大・阿佐田哲也電子全集」(小学館)の最終23巻に収録される。読売文学賞受賞作の「狂人日記」の原型とみられる小説風の記述があり、純文学に専念しようとした晩年の色川の姿を示す貴重な資料だ。

「“彼岸すぎ”からこの日記がはじまる」の一文で始まる色川の日記=小学館提供
「“彼岸すぎ”からこの日記がはじまる」の一文で始まる色川の日記=小学館提供

 小学館によると、日記は電子全集の編集作業中に、遺品の中から発見された。日付は1985年9~12月の間の4日間のみで、同年9月24日に「“彼岸すぎ”からこの日記がはじまる」という言葉で始まる。

 内容は身辺雑記はごくわずかで、小説風の文章が続く。夢の中での女性との情事、弟ら家族との会話、突如目の前に現れる生家の天井の様子などが幻想的に描かれている。担当編集者だった大槻慎二さん(59)は「晩年の傑作である『狂人日記』と共通する描写が多く、草稿としても読める資料だ」と話す。

 色川は急な眠気に襲われる病気「ナルコレプシー」で、幻覚や幻聴と闘いながら執筆していた。妻の孝子さん(77)によると、晩年の色川は「これからは純文学一本に絞りたい。俺には時間がないんだ」と話していたという。孝子さんは「『狂人日記』を書いている時はまるで命を削っているようだった。夫の書き残した言葉が後世に残り、とてもうれしい」と話している。

 ◆狂人日記=幻覚や幻聴に悩まされる男の孤独を描いた長編小説。1987~88年に文芸誌「海燕」に連載され、89年に読売文学賞の小説賞を受賞した。色川は本作について、「現代に生きている人々の孤絶感というか、みんな精神を病み、ばらばらになって生きている姿をいつか書きたいとずっと思っていた」などと語っている。

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1864519 0 エンタメ・文化 2021/02/24 15:00:00 2021/02/24 16:27:23 2021/02/24 16:27:23 「“彼岸すぎ”からこの日記がはじまる」の一文で始まる色川の日記(小学館提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210224-OYT1I50069-T.jpg?type=thumbnail

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