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「呪術廻戦」の怪人「両面宿儺」、モチーフは飛騨の英雄?

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千光寺に伝わる円空作の両面宿儺像(岐阜県高山市で)
千光寺に伝わる円空作の両面宿儺像(岐阜県高山市で)

 人気漫画「鬼滅きめつやいば」の次にヒットが期待されていることから「ネクスト鬼滅」との呼び声も高いのが、漫画「呪術廻戦かいせん」。「両面宿儺すくな」と呼ばれる登場人物の怪人は、岐阜県飛騨地方を中心とした伝承上の人物がモチーフになっているとみられる。(乙部修平)

◆顔と手足 二組ずつ

 「呪術廻戦」は、人間の負の感情が具現化した「呪い」と呪術師との戦いを描いた作品。累計発行部数3000万部を突破し、作中で両面宿儺は、「1000年以上前に実在した人間」とされ、「呪いの王」として紹介されている。

 両面宿儺は「日本書紀」にも記述があり、「一つの体の両面に、顔と手足が二組ずつある怪人」で「人民を苦しめた」ため、「ヤマト政権から派遣された難波なにわ根子武振熊ねこたけふりくまによって討たれた」などと記されている。

 その一方、岐阜県内には飛騨から美濃地方にかけて、開基に両面宿儺が深く関わったとされる寺院が点在する。その代表的な一つが、円空作の両面宿儺像が伝わる高山市丹生川町の「千光寺」だ。同寺の縁起によると、両面宿儺は同寺が位置する「袈裟けさ山」を開山したとされる。袈裟山の山頂からは、神事に使われたとみられる遺跡が見つかっているといい、大下大圓だいえん住職(66)は、「南に御嶽山、東に乗鞍岳、西に白山と、3000メートル前後の山が3方向に見える場所に位置していることから、自然崇拝における重要な聖地だったはず」と語る。

 また大下住職は、「両面宿儺は飛騨地域にとって英雄的存在だった」と指摘する。地元でも、両面宿儺は顔と手足が二組ずつある怪人として語られるが、その一方、寺院の開基や竜退治など多くの英雄伝説を残している。そのことからも両面宿儺は、飛騨地方の豪族だったとも考えられ、東北で有名な「アテルイ」と同様、中央政権に不都合な存在だったため、史実の中で「悪役」として脚色されていったのではないかとされている。

 なぜ、「両面」という姿が言い伝えられているのか。大下住職は「例えば、憤怒と柔和は表裏一体。両面宿儺が飛騨の人々を守るためにヤマト政権と激しく戦ったかもしれないように、怒りの裏には必ず慈悲の心がある。両面宿儺信仰から、真の慈悲とは何かを考えるきっかけにしてもらえれば」としている。

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1874624 0 エンタメ・文化 2021/02/28 21:52:00 2021/02/28 23:46:56 2021/02/28 23:46:56 千光寺に伝わる、江戸時代の仏師・円空が作ったとされる県重要文化財の両面宿儺像(高山市千光寺で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210227-OYT1I50088-T.jpg?type=thumbnail

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