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48歳で急逝した歌手・河島英五さんの没後20年を機に、遺族らが創作ノートなどを来月初公開する。大ヒット曲「酒と

大阪府出身の河島さんは、高校時代にバンドを結成し、1975年にファーストアルバム「人類」を発表。翌年の解散後はソロに転じ、「
作詞作曲は中学生の頃から始め、500曲以上を手がけた。大阪府四條畷市内の自宅には30冊近い創作ノート、ギターや得意だった絵などが残されているという。
「人類」に収録された「酒と――」の歌詞は1970年5月26日付のページに初めて登場する。あみるさんによると、河島さんが親戚の集まりに参加した時、場を切り盛りする女性の姿などをみて着想したと言い、細やかな観察眼がみてとれる。
ノートは、1メートル82の体格からはイメージしづらい丸みのある字でつづられている。サビの「のんで のんで のまれて のんで」という名フレーズは完成していたが、歌い出しの「忘れてしまいたい事や」の部分は「忘れてしまいたいことがいっぱいで」とあり、発表曲とは違う点も多かった。翌年のノートでは今の歌詞になり、ギターコードもついていた。
71年に高校の卒業式でゲリラ的に歌った「出発」は、69年の時点では曲名が「分かってほしい大人
父の曲を歌うあみるさんは「ギターに合わせてみて、歌いづらい箇所を直したのだろう。人に伝える言葉にこだわっていた」と話す。
ノートの公開を決めたのは、父を知らない世代に歌を届けたいという願いからだ。「生きることへの思いが強く、繊細で優しかった。青春の葛藤、社会への反発など、歌に込めたものを感じてほしい」と期待する。
河島英五展は命日の4月16日、京都文化博物館別館(京都市中京区)で開幕する。問い合わせは事務局(075・251・8150)。