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9年前の映画に参加、エキストラでも目を引いていた吉岡里帆

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<STORY2>

 「何とか出来るんじゃないかって思っちゃうところ。必ずしも出来るわけじゃないことの方が多いんですけど、一度そう思ってみる。無力なんだけど、立ち向かっていく感じが似てる」

 20日開幕の舞台「白昼夢」で演じる引きこもり支援団体の会員、石井美咲との共通点を尋ねると、吉岡里帆は、こう答えた。脳裏にあったのは京都市内の大学に進学後、プロの役者を志していた頃のことだろう。

2016年3月、「びわ湖開き」で観光船の一日船長を務めた=池内亜希撮影
2016年3月、「びわ湖開き」で観光船の一日船長を務めた=池内亜希撮影

 18歳の時に見た学生演劇に魅了され、小劇場に出演するようになった。その一方、東京へ深夜バスで行き、レッスンやオーディションを受けた。費用はバイトを掛け持ちして捻出。「女優になんてなれないよ」という周囲の声の中、わずかな可能性を信じた。

 学生演劇に出会う直前にもう一つ、演技に興味を抱く経験があった。映画「天地明察」(2012年)にエキストラで参加したことだ。終盤に登場する群衆の一人だったが、ピンク色の着物姿の吉岡はしっかり確認できる。笑顔や跳びはねるようなしぐさも目を引く。

 「『こっちおいで。宮崎あおいちゃんが通るから目立つよ』と、いい場所を譲ってもらえたからです」。導いてくれたのは大部屋俳優たち。撮影前、吉岡があいさつに行ったことを覚えていてくれたのだ。滝田洋二郎監督からも「君、いいじゃない。女優やってみたら」と声をかけられた。「軽い感じでしたけど、うのみにしちゃって。東京はこういう楽しい話がたくさんあるのかなと思った」

 精いっぱいやり抜く姿勢は、最初の一歩から変わらなかった。オーディションでは何度も苦渋を味わったが、誰かの心にとどまる印象も残してきた。NHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインオーディション最終選考でもそうだった。

 「あの時はガチガチに緊張してしまい、落ちたっていう実感がありました」。実際、ヒロイン役は逃したものの、懸命に審査に臨む様子は脚本家の心に刻まれたようだ。16年、物語後半に演じた主人公の娘の友人・田村のぶは、丸メガネの生真面目なキャラクター。「力みすぎておかしなことになっている役柄は、オーディションで失敗している私と似ていました」

 宜ちゃんは瞬く間にお茶の間の注目を集め、吉岡は同年春、滋賀県・琵琶湖のイベント「びわ湖開き」で観光船の一日船長を務めた。船は、その1年前までバイトをしていた大津プリンスホテルにも寄港。吉岡がかつての上司や同僚たちに駆け寄って、歓迎される感動的な時間になった。「あの時は泣いちゃいましたね」。演技であれバイトであれ、真剣な態度で信頼を得てきたのだ。

 「人生ってそうじゃないですか。出会う一瞬一瞬の縁で成り立っている」(清川仁)

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1907490 0 エンタメ・文化 2021/03/13 05:00:00 2021/03/20 14:54:16 2021/03/20 14:54:16 「びわ湖開き」で観光船の一日船長を務める吉岡さん(2012年3月)(大津市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210312-OYT1I50057-T.jpg?type=thumbnail

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