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パチンコで70万負けた後、偶然見たピアノ演奏に感動した漁師…猛練習の末に到達した「場所」

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 リストの難曲「ラ・カンパネラ」をピアノ演奏するノリ漁師がいる。佐賀市川副町の徳永義昭さん(60)。人気ピアニストのフジコ・ヘミングさんの演奏に衝撃を受け、ピアノを始めて8年。4月16日に北九州市で開かれるヘミングさんのコンサートにゲスト出演する。「夢のようだ。猛練習して臨みたい」と意気込んでいる。(丸山滉一)

コンサートへの出演に向けて、練習に励む徳永さん
コンサートへの出演に向けて、練習に励む徳永さん

 太い指で器用に鍵盤けんばんをたたき、繊細な音色を響かせた。「緊張するだろうが、思い切り弾きたい」。佐賀市の自宅で18日、徳永さんはほほ笑んだ。

 同市出身で、高校を卒業後はノリ漁師一筋。収穫期には、海での作業と自宅での休憩を6時間ごとに繰り返す過酷な生活を送る。

 ピアノを始めたのは52歳の時だった。パチンコで2か月で70万円も負け、手元の現金がなくなった。「ここまで落ちたか」と反省した。パチンコをやめて時間を持てあましていたある日、たまたまテレビでヘミングさんがラ・カンパネラを演奏するのを見た。演歌が好きでクラシック音楽に関心はなかったが、繊細な響きや柔らかい弾き方、間の取り方など全てに感動した。「この曲を弾きたい」。そんな衝動に駆られた。

 早速、音楽大学卒でピアノ教室の講師を務める妻の千恵子さん(59)のピアノを借り、練習を始めた。しかし楽譜が読めない上に、太い指でうまく鍵盤をたたけなかった。千恵子さんから「絶対に無理」と反対されたが、ラ・カンパネラに合わせて鍵盤が光る練習の動画を動画投稿サイト「ユーチューブ」で見ながら、1音ずつ指の動かし方を覚えていった。

 1日数時間の練習を繰り返し、熱中しすぎて12時間に及ぶこともあった。冬場の収穫期にノリ漁に出かけた後は、かじかんだ手を温めてピアノに向かった。上達する過程を残そうと、演奏の様子をユーチューブに投稿すると、「勇気をもらった」「ひたむきな演奏に感動した」などと感想が寄せられ、全国各地の小中学校などから演奏依頼が舞い込むようになった。

 2019年にはテレビ番組の企画でヘミングさんと念願の共演を果たした。目の前でラ・カンパネラを演奏した。その際、ヘミングさんからコンサートへの出演を依頼されたが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。

 4月16日のコンサートは午後6時半から、北九州市小倉北区の北九州ソレイユホールで開かれる。約2000人の観客の前で演奏する予定の徳永さんは「憧れの人のコンサートに呼ばれるのはとても光栄だ。実感は湧かないが、楽しんで演奏したい」と話している。

 チケットの問い合わせは、同ホール(093・592・5405)へ。

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1944513 0 エンタメ・文化 2021/03/28 23:27:00 2021/03/30 09:20:20 2021/03/30 09:20:20 本番に向けて練習する徳永さん https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210328-OYT1I50000-T.jpg?type=thumbnail

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