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宮崎県内在住のシンガー・ソングライター、みゆなさん(18)が、映画やアニメの主題歌を手がけるなど多くの楽曲を発信している。昨年10月には新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中にファンらからSNSでエピソードを集めて作った曲を収めたミニアルバムを出し、多くの人の共感を呼んでいる。(川浪康太郎)

みゆなさんは高校生だった2018年、地元のストリートなどで音楽活動を本格化させた。配信シングルがテレビアニメ「ブラッククローバー」第5クールでオープニング、エンディング曲となり、19年に出したミニアルバムのリード曲は映画「見えない目撃者」の主題歌となった。
歌詞にはネガティブな表現が多い。配信シングル「color」には「この暗い世界に 一つだけでも良いから 幸せはありますか?」とあり、「ユラレル」には「馬鹿みたいに泣いて この広い世界に逃げ場がなくて 壊れ落ちたんだ」との表現がある。
不登校だった中学生の頃、よく聞いていた楽曲の影響という。「背中を押されるというよりは、絶望を共有することができた。簡単に口に出せない思いを音楽にしてもらい、一緒に落ちていくことで、元気が出て救われた」と回顧する。
曲を作るにあたっては、悩んだり、苦しんだりしている人に共感してもらうため、感情や思考を「本能的に書く」ことを心がけている。一方、日頃からSNSを利用する中で、言葉の怖さも感じるという。
「例えば、私が曲の世界観に任せて『死ねばいいのに』というフレーズを入れたとする。聞き手に『死ねばいい』と思う人がいた場合、実際にその人に『死ねばいい』と言ってしまうという、負の連鎖が生まれるかもしれない」
言葉を使う難しさと向き合いながら、自身のスタイルを貫いている。
昨年10月にリリースした自身3枚目となるミニアルバム「reply」に収めた「歌おうよ」「瞬き」の2曲は、コロナ禍のなかSNSでファンらから募ったエピソードを参考に歌詞をつむいだ。「そんな夜は 昨日より
「みんなそれぞれに悩みがあるのだと感じた。だからこそ、一定の人ではなく、全員のために書こうと思った」と話すみゆなさん。「新たな一歩を踏み出すことは勇気のいることで、不安や恐怖もある一方、少しだけ期待もある。一歩を踏み出すきっかけとして私の音楽があればいいなと思う」と話している。