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ネットでハッキング学んだ少年、独学で腕磨き「正義のハッカー」に…西尾素己さん

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 サイバー攻撃から社会を守る「ホワイトハッカー(正義のハッカー)」として活躍する西尾素己(もとき)さん(25)は、高度な知識と技術で無法者に立ち向かうとともに、政府や企業にサイバーセキュリティー(インターネット社会の安全性)対策を指南している。学歴社会の色濃い日本にありながら、最終学歴は中学卒業。好奇心を礎に独学で道を切り開いてきた先端人に、胸に秘める思いを聞いた。(文化部 松田拓也)

にしお・もとき 1996年生まれ、大阪府出身。2019年、世界4大会計事務所の一つ「アーンスト・アンド・ヤング(EY)」の日本におけるコンサルティング会社に入り、ディレクターを務める。
にしお・もとき 1996年生まれ、大阪府出身。2019年、世界4大会計事務所の一つ「アーンスト・アンド・ヤング(EY)」の日本におけるコンサルティング会社に入り、ディレクターを務める。

今はサイバー攻撃対策を指南

 「おまえの国、しょぼいな」。海外の仲間の言葉に耳が痛い。「攻撃方法を思いつくと、とりあえず実験台の日本で試される」と嘆く。

 現在、大手会計事務所のコンサルティング部門で、サイバー攻撃対策を指南する責任者の一人だ。ホワイトハッカーとしての手腕は目下、業務外でふるわれる。培ったネットワークを生かして情勢を監視し、政府への情報提供も行う。つい最近も深夜、日本企業にまつわるソフトの脆弱(ぜいじゃく)性や、国際的なサイバー攻撃の動向などの情報が舞い込んだ。「政府と民間の日本企業は我々が守る」との気概が頼もしい。

 現職では、サイバーセキュリティーに関する危機管理を政府や企業に助言している。例えば日本企業が攻撃され、米国に関係する知的財産の情報が漏れた場合、現地の法律に準じて適切な対策を講じなければ米国側から訴訟を起こされるリスクがある。稚拙な対応は致命傷になりかねない。

「『中卒』は原動力。どこまで行ってもプラスの上積み」

 緻密(ちみつ)な頭脳と胆力なくしては太刀打ち出来ない世界だ。小学生でコンピューターに興味を持って以来、独学で究めてきた。京都の高等専門学校を中退後、数年ごとに会社を渡り歩いた。「全て自分の選択で決断してきた。『中卒』は原動力。無一文、無資格からスタートしたので、どこまで行ってもプラスの上積みなんです」と謙虚に語る。

 実家は鉄工所。家業を継ぐつもりで高専に行った。ただ、寮生活では毎晩、海外の仲間との「模擬戦」に明け暮れた。互いに許可を取ってサイバー攻撃をし合う。夜10時、寮の電源が落とされた後も「モバイルバッテリーで一晩を越した。攻め方が分かれば実効的な防御も身につく。今も貴重な財産です」と振り返る。

 ドイツ拠点のホワイトハッカー集団の一員としても、外国政府のシステムに脆弱性を見つけ、報告する活動に励んだ。だが、高専2年の冬、鉄工所が苦境に。「独学で得た知識は通用するはず」と前向きに考えて中退し、冠婚葬祭のウェブサービスを提供する大阪のベンチャー企業に就職した。

 転機は2014年末。上京して情報セキュリティー会社に入った。

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使い方
1978680 0 社会 2021/04/12 15:00:00 2021/07/08 12:45:37 2021/07/08 12:45:37 「ネクストブレイク」用 サイバーセキュリティー専門家の西尾素己さん(25日、東京都千代田区で)=泉祥平撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210412-OYT1I50012-T.jpg?type=thumbnail

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