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聖徳太子建立とされる寺が所蔵、如来立像に飛鳥時代の部材…「国内最古級」と確認

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 聖徳太子が建立したとされる法起寺ほうきじ(奈良県斑鳩町)に伝わる如来立像(7世紀)を、X線CTスキャンで調べたところ、飛鳥時代の当初の部材が残っていることが、奈良国立博物館(奈良市)の調査で分かった。これまで顔面が後世の補作であるとして一般公開されてこなかったが、木彫の如来立像として国内最古級であることが確かめられた。(土谷武嗣)

法起寺の如来立像(奈良国立博物館提供)
法起寺の如来立像(奈良国立博物館提供)

 如来立像(104・4センチ)は、1993年に奈良国立博物館が、「わが国最古の弥勒みろく如来像」と発表した。しかし、直後に顔面が後世に補われたものではないかと指摘され、その後は広く公開される機会に恵まれなかった。

如来立像のCT画像。左側の体の前部分や右上の後頭部に当初の部材が残る(奈良国立博物館提供)
如来立像のCT画像。左側の体の前部分や右上の後頭部に当初の部材が残る(奈良国立博物館提供)

 今回、X線CTスキャンで調査した結果、木目などから後頭部と右肩から先を除く体の前面部、太ももに当てる左手が制作当初の部材と判明した。階段状に表現された衣や、左右に振り分けた後頭部の頭髪などの特徴が、法隆寺に所蔵される飛鳥時代の仏像に見られる表現と同じであり、同時代の作品だと改めて確認された。

 また、指先まで当初の部材だった左手は、体に伏せて置かれている。638年に聖徳太子のために弥勒像を造ったと記載している資料があり、この像は弥勒如来の可能性が指摘されてきた。しかし、今回の調査で弥勒如来かどうかは特定できず、左手のポーズの意味は、謎のまま残された。

 調査した山口隆介・主任研究員(日本彫刻史)は「飛鳥時代の木造の如来立像で高さ1メートルを超える仏像は他になく、非常に貴重な作品であると再評価できる」と話している。

 如来立像は奈良国立博物館で27日に開幕する特別展「聖徳太子と法隆寺」(奈良国立博物館、法隆寺、読売新聞社など主催)で展示される。

太子のお心伝われば…法隆寺・古谷管長

 特別展「聖徳太子と法隆寺」の開催を前に、太子の創建と伝わる法隆寺の古谷正覚管長(72)が取材に応じ、「太子のお心やお気持ちがよく伝わる機会となるはず」と期待した。

 特別展では法隆寺などの仏像や宝物を計約170件展示。大半を国宝や重要文化財が占める。旧1万円札の図柄で親しまれた「聖徳太子二王子像」(宮内庁蔵、奈良時代)、太子の一生を分かりやすく伝える国宝「聖徳太子絵伝」(東京国立博物館蔵、平安時代)などからは、今日まで続く太子信仰の一端に触れることができる。

特別展について語る古谷管長(奈良市で)
特別展について語る古谷管長(奈良市で)

 古谷管長は「太子は一部の特権階級に信仰されてきただけでなく、一般の方が信仰を支えてきた。展示品からは、太子の偉大さや信仰されてきた太子への思いが伝わるはず」と語る。

 威厳に満ちた姿を表した法隆寺聖霊しょうりょう院の国宝「聖徳太子および侍者像」(平安時代)は、秘仏で普段は拝観できない。古谷管長は「太子の500年遠忌に制作され、太子信仰の元になった像なので、見てもらえれば」と勧める。

 「法隆寺を語る上で外せない仏様」と言うのが国宝の金銅仏「薬師如来坐像ざぞう」(飛鳥時代)。口元に笑みをたたえた神秘的な表情が特徴的で、光背に法隆寺創建の由来が刻まれている。

 ほかにも国宝「玉虫厨子たまむしのずし」(飛鳥時代)や、最古の刺繍ししゅうとされる国宝「天寿国繍帳しゅうちょう」(中宮寺蔵、飛鳥時代)など、古代仏教美術の名品も出展される。

 古谷管長は「太子への信仰によって現代まで貴重な文化財が守り継がれてきたことも理解してもらえる特別展になれば」と願った。

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2012696 0 エンタメ・文化 2021/04/26 20:15:00 2021/04/26 21:52:24 2021/04/26 21:52:24 法起寺の如来立像=奈良国立博物館提供 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210426-OYT1I50043-T.jpg?type=thumbnail

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