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GPS発達でも役割不変、灯台に光を…初の「重文」指定で存在感

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[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「灯台」。

 犬吠埼いぬぼうさき灯台(千葉県銚子市)など4基の灯台が昨年12月、国の重要文化財(重文)に指定された。海上交通の「道しるべ」として立つ現役の灯台が重文に選ばれるのは初めて。GPSなど技術変革の荒波にさらされつつも、歴史的価値や観光資源という側面に“光”が当たり、存在感を増している。

西洋技術生かされた近代遺産

 銚子半島の東端にそびえ立つ犬吠埼灯台は1874年(明治7年)に建設。北太平洋航路の最初の灯台という交通史上の価値に加え、地震の多い日本に対応した初期の煉瓦れんが造りの塔状建物という建築史上の価値が認められた。地元の「犬吠埼ブラントン会」は、灯台建設を指導した技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの母国・英国で設計図や当時の書簡などを調べてきた。重文指定にあたっての国の調査でも参考にされたという。「灯台が国の宝になるのに、役に立てたかな」と代表幹事の仲田博史さん(72)は感無量だ。

 同時に重文指定された六連島むつれしま角島つのしま(以上、山口県下関市)、部埼へさき(北九州市)の3基もブラントンの指導による明治初期の建築物。西洋の技術が生かされた「近代遺産」の姿を今に伝える。

 知名度・歴史的価値とも申し分ない4基の重文指定は当然のように見えるが、課題もあった。文化財保護法では、重文としての価値を損ねないよう、「現状変更」に国の同意が必要だ。光源など灯台の機能の維持を図りつつも、外観などの改修は原則、文化庁との協議が必要となる。届け出だけで改修可能な登録有形文化財には15基の灯台が選ばれる一方、重文指定が進まなかったのはこのためだ。

 今回、灯台を所有する海上保安庁と文化庁で、「文化財としての価値を損ねない維持管理」の相互理解が進み、重文指定に至ったという。背景には灯台の存続を巡る喫緊の課題がある。

廃止相次ぐ

 灯台を始めとする航路標識の役割は「航路標識法」で、「交通の安全を確保し、あわせて船舶の運航能率の増進を図る」とされている。人や物資の輸送を船舶に頼る地域にとって灯台は不可欠で、全国各地で誘致活動が行われてきた。

 ただ、近年はGPS機能やレーダーの発達で船と港の位置関係が測られるようになり、航路を照らして船舶の安全航行を図る「光波標識」の灯台の役割が低下。全国の灯台の基数もここ10年で117基廃止された。

 一方、地域のシンボルでもある灯台の活性化を望む自治体などの声も多い。海上保安庁も、「カーナビだけでは自動車事故を防げないのと同じで、目視で航行の安全を図れる灯台の役割は不変だ」と、港湾整備などによって解体せざるを得ない灯台以外は、廃止を強行したくないのが本音だ。

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