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本仮屋ユイカ・高橋ひかる・比嘉愛未、テレ東でドロドロ愛憎劇

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 ラブコメディーブームと言われる連ドラ界に反旗を翻し、テレビ東京がドロドロ愛憎劇枠「サタドラ」(土曜午後11時25分)を今春スタートさせた。これまでもマニアックな深夜ドラマで存在感を示してきた同局だが、新枠ではネットを介したタイムシフト視聴の広がりを受け、配信ファーストを宣言。第1弾「私の夫は冷凍庫に眠っている」は、1話放送前に全話を配信する力の入れようだ。「もはや地上波の視聴率だけが指標ではない」と明かした制作者の真意とは?(読売新聞オンライン 旗本浩二)

「サタドラ」ドロドロ愛憎劇の第2弾「春の呪い」は、高橋ひかるが愛する妹を亡くした主人公を演じる(C)テレビ東京
「サタドラ」ドロドロ愛憎劇の第2弾「春の呪い」は、高橋ひかるが愛する妹を亡くした主人公を演じる(C)テレビ東京

女性層意識、韓流ファンの取り込みも

 テレ東は深夜ドラマが他局に比べ多彩だ。看板枠「ドラマ24」を見ても、キャバクラを舞台にした「嬢王」(2005年)、異性にモテまくる時期をテーマに流行語にもなった「モテキ」(10年)、突然超能力者になった男子高校生の妄想がさく裂する「みんな!エスパーだよ!」(13年)など、それぞれエッジの利いた作品がそろっていた。しかし、この10年余りで配信経由のタイムシフト視聴が拡大。これまでは深夜視聴を好むニッチ層向けに制作してきたが、いまは放送時間帯を気にすることなく幅広い層に向けて自在に作品を提示できるようになった。

 「来るべき配信時代、モバイル視聴を意識して、それに見合ったバズるコンテンツを育てていく枠を作りたかった」。「サタドラ」担当の稲田秀樹チーフ・プロデューサーが説明する。「地上波、BS、そして配信。その三位一体戦略を数年前から掲げ、本格的にトライしていこうと作ったのがこの枠」

 問題はテイストだ。

 軽いタッチのラブコメは若い女性層を中心にテッパンの連ドラジャンル。最近でも「逃げるは恥だが役に立つ」「恋はつづくよどこまでも」(いずれもTBS系)などのヒット作が量産され、今期も「恋はDeepに」(日本テレビ系)、「レンアイ漫画家」(フジテレビ系)など花盛り。「リコカツ」(TBS系)のように離婚がテーマでありながら、中身はドタバタ系のラブコメといった作品まで放たれている。

「サタドラ」第1弾の「私の夫は冷凍庫に眠っている」。本仮屋ユイカ演じる主人公は、婚約者(白洲迅)を殺したはずだったが…(C)︎テレビ東京
「サタドラ」第1弾の「私の夫は冷凍庫に眠っている」。本仮屋ユイカ演じる主人公は、婚約者(白洲迅)を殺したはずだったが…(C)︎テレビ東京

 「でも、クリエーターとしては時代の流れとは逆に行きたかった。薄味でない濃いめのメロドラマを打ち出したかったんです」。頭をかすめたのは、往年の“あの”作品群だ。

 80~90年代、「スチュワーデス物語」や「スクール★ウォーズ」「不良少女とよばれて」といった大映テレビ制作の“大映ドラマ”がヒット。一方、東海テレビ制作で平日昼に放送された“昼帯ドラマ”も2016年まで半世紀以上にわたってお茶の間を席巻した。いずれもクサいセリフに大げさな演技、泥沼のような人物関係、そしてありえない展開がウリで、そうした要素を韓流作品が取り込んで改めて日本の視聴者を魅了した。

 「サタドラ」は、今をときめくフレッシュな出演者でこのドロドロ感を醸し出すことに照準を合わせ、何より女性層を意識する。「若い層を狙いつつ、韓流ファンであるもう少し年齢の高い層も取り込みたい」

1話30分、6~8話で“一気見”狙う

 先月10日に始まった第1弾「私の夫は冷凍庫に眠っている」では、婚約者(白洲迅)の暴力に耐えかねて主人公(本仮屋ユイカ)が彼を殺害。遺体を冷凍庫に隠すが、翌日、彼が目の前に現れるというサスペンス。謎に満ち、エグい展開も満載で、地上波では最近確かにお目にかからない雰囲気だ。ただ、全6話、今月15日が最終回となる。しかも各話30分だからあっという間に見終わってしまう。

 実はこれも戦略だ。

 配信作品のモバイル視聴者は、短いコンテンツに慣れた若年層が中心。作品の見応えを考えても1話30分が手頃だという。話数については、「米国の配信ドラマも8話ぐらいが最適と言われ始めている。週末に“一気見”するのにちょうどいい、ストレスを感じない話数なんです。その意味では6~8話ぐらいで、各話30分という流れが加速するのでは。韓国では、まだテレビで見てもらえているので長いものでも視聴に耐えられますが、それもちょっと変わりつつあるようです」。

 第1弾は、テレビの視聴率はさほどでもないが、有料動画配信サービスのParavi(パラビ)での配信は、一挙配信の効果もあって想定以上に好調だという。配信先行がテレビの視聴率を食ったようにも思えるが、この点こそが三位一体戦略だ。「地上波での放送は副次的なもので、まずは配信ファースト。地上波が偉くて、配信が次みたいな発想でなく、全体の中で結果を出していく。もはや地上波の視聴率だけが指標ではないんです」

妹の婚約者に恋心…浮気にセックスレスも

「春の呪い」で主人公の妹役を演じる桜田ひよりと婚約者役の工藤阿須加(C)︎テレビ東京
「春の呪い」で主人公の妹役を演じる桜田ひよりと婚約者役の工藤阿須加(C)︎テレビ東京

 22日スタートの第2弾「春の呪い」は、最愛の妹(桜田ひより)を亡くした主人公(高橋ひかる)が妹の婚約者(工藤阿須加)に恋してしまい、そこに妹の幻影が現れるという「ライトなラブコメとは一線を画した濃厚なラブストーリー」だ。こちらは1話ずつParaviで先行配信し、その後、テレビで放送していく。1話目の配信は15日午後9時。

 もちろん、三位一体戦略は「サタドラ」に限らない。夫の浮気疑惑、セックスレスなど、心がざわつく事態が散りばめられた「にぶんのいち夫婦」(6月2日から、水曜深夜0時40分)もParaviで今月26日から先行配信していく。

「テレビが失ったもの」へのニーズ

妻(比嘉愛未)が夫の浮気疑惑に苦悩する「にぶんのいち夫婦」(C)「にぶんのいち夫婦」製作委員会
妻(比嘉愛未)が夫の浮気疑惑に苦悩する「にぶんのいち夫婦」(C)「にぶんのいち夫婦」製作委員会

 こうなってくるとテレビの存在感がますます薄れていくような気もする。稲田チーフ・プロデューサーが正直に打ち明けた。「僕の子どもも一切テレビを見てくれない。我々としては見てほしいけど、何が若者向けか、それすらよく分からない」。となると、ネットの世界にテレビは食いつくされてしまうのだろうか。この点、こんな見解も聞かせてくれた。

 「テレビを見なくなった人たちが、SNSなどで何を楽しんでいるか。それは、大きなメディアになってしまった今のテレビにはないもの、例えば、過度のコンプライアンスとか忖度(そんたく)とかのあまりないものなのでは。そういうものが求められている気がします」。果たしてそれを提示できるのか、独自路線で突き進むテレビ局の真価が問われよう。

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2052485 0 エンタメ・文化 2021/05/15 17:02:00 2021/05/16 08:34:09 2021/05/16 08:34:09 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210512-OYT8I50019-T.jpg?type=thumbnail

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