「映画は麻薬」と語る吉永小百合…「次は10代の頃にやったような開放的な役どうかな」

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<STORY4>

 「一生引退はできないね。こりゃしんどいよ」

 日本映画史を代表する女優・田中絹代を演じた1987年公開の映画「映画女優」(市川崑監督)に、俳優の引き際を巡るせりふがある。今、その気持ちがよく分かるという。

 「時々考えるんですけどね、どこでピリオドを打つか。野球の選手なら、成績が数字で出るけど、芝居は数字に表れないものだから、本当に難しいですよね」

米田育広撮影
米田育広撮影

 かつては笠智衆、志村喬の女性版のような、自然な感じで年をとってゆく役を演じるのが目標だったが、今も年1本ペースで主演映画が公開され、スポットライトを浴び続ける。一部地域を除いて21日に公開された最新作「いのちの停車場」(成島出監督)でも、主人公の医師役として、出ずっぱり。

 「コロナでスケジュールがタイト(過酷)で、『疲れたな』という時もあったんですけど、『最後までやらなきゃ』という責任の方が強かったですね。途中で気持ちが切れるようになったら、辞めるしかないなと思っています」

 あこがれは、90歳を過ぎて、映画「八月の鯨」に主演した米女優リリアン・ギッシュ。NHKのテレビドラマ「夢千代日記」で共演した樹木希林が亡くなる2年ほど前、「そろそろ2人で、ちゃんとしたものをやりましょうよ」と誘ってくれたことがあった。その時、吉永の念頭にあったのが「八月の鯨」だった。

 「毒舌でね、ふだんそんなこと言わないんだけど、お体が悪くなっていったこともあると思うんです。チャンスがないまま、お別れしなくてはならなかった。最後に『もう一緒にできないわね』と言われたことが、今でも心に引っかかっているんです」

 中学2年で銀幕デビューして以来、人生を映画にささげてきた。突き動かしているのは、「映画が好き」というシンプルな思い。その思いは、映画を見に行くことが一番の楽しみだった子供の頃から変わらない。そして生まれ変わっても、また映画の仕事をしたいと願う。

 「俳優かどうかはわからないけど、映画の世界っていうのは、やっぱりちょっと、麻薬なんですよ」といたずらっぽく笑う。

 次回作で、なんとなく語呂のいい123本目。今回は初めての医師役に挑戦したが、「すごく真面目な役だったので、次は日活時代、10代の頃にやったような開放的な役はどうかなと思ってます」

 全世代のサユリストが吉報を待っているはずだ。(田中誠)

(おわり)

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