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疫病の退散願い、江戸時代に配られた「かわいいお札」…根付いていたオオカミ信仰

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 新型コロナウイルスが猛威をふるう中、江戸時代にコレラの退散を願って信者に配られていたとみられるオオカミのお札が話題を呼んでいる。山梨県上野原市と大月市にまたがる権現山(1312メートル)山頂付近に奥宮がある「王勢籠おせろう神社」(王勢籠権現)のもので、大月市の旧家に版木が残されていた。地元ではこの図柄を使ったグッズの作製を検討する動きがあり、「ヨゲンノトリ」のようにブームとなるか注目される。(市川憲司)

江戸時代の版木で刷ったオオカミのお札
江戸時代の版木で刷ったオオカミのお札

 お札の版木は縦約24センチ、横約12センチの大きさ。県立博物館で学芸員を務めていた2009年に調査した帝京大学文化財研究所の植月学・准教授(動物考古学)によると、版木の右側面を赤外線カメラで撮影したところ、「文化十三年」(1816年)と制作年が墨書きされていた。その約40年後の安政5年(1858年)には県内でもコレラが大流行したと伝えられており、お札はこの時期に配られていた可能性が高いという。

 植月准教授は「王勢籠権現には『神犬』と呼ばれるオオカミをまつる信仰があり、神犬にはコレラを引き起こす悪霊を退散させる霊力があると信じられていた」と解説する。同神社には江戸時代に神の使いとして神犬75匹がいたと伝えられる。

 地元で注目を集めているのは、オオカミの図柄が写実的ではなく、かわいらしいことだ。大月市の版画家・和田定夫さん(76)は「親しまれる図柄」と評価する。和田さんは約10年前、版木の保管者から依頼され、資料として残すためにお札を刷って復元したことがある。和田さんによると、かつて地元の浅川地区の祭りではこのお札が配られていたという。

お札を刷った江戸時代の版木を見つめる仁科幸子さん(左)(4月24日、大月市で)
お札を刷った江戸時代の版木を見つめる仁科幸子さん(左)(4月24日、大月市で)

 また、お札の存在を知った同市の絵本作家・仁科幸子さんも「シンプルでユニークなデザイン」と話す。自身が代表を務める市内の文化サークル「パップンピットの森クラブ」で、この図柄を描いた絵はがきなどを作製し、広めていくことができないか検討している。

 仁科さんは「疫病を退散させると信じられていた『オオカミ信仰』が根付いていたことを大勢の人に知ってもらいたい」と話している。

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2077011 0 エンタメ・文化 2021/05/25 14:03:00 2021/05/25 14:03:00 2021/05/25 14:03:00 江戸時代の版木で刷ったオオカミのお札(4月24日午前10時43分) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210524-OYT1I50035-T.jpg?type=thumbnail

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