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上白石萌歌「毎日汗だくで、声も極限まで出して」…「世にも奇妙な」既視感に苦しむ大学生役

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 ホラーからシュールな不条理劇まで30年以上にわたってオムニバスドラマでつづられてきたフジテレビ系「世にも奇妙な物語」の最新作「‘21夏の特別編」が26日放送される。意識や時間にまつわる四つの奇談で構成。子どもの頃からの憧れだったという「奇妙」出演を果たした上白石萌歌は、自らもよく経験したデジャブ(既視感)に苦しむ大学生役を演じる。

「世にも奇妙な物語」への出演が子どもの頃から憧れだった上白石萌歌。デジャブに翻弄(ほんろう)される大学生を熱演する(C)フジテレビ
「世にも奇妙な物語」への出演が子どもの頃から憧れだった上白石萌歌。デジャブに翻弄(ほんろう)される大学生を熱演する(C)フジテレビ

時代や国を問わず「面白い」かどうか

 おどろおどろしいメロディーに合わせ、案内役のタモリが現れる印象的なオープニングシーンで知られる「奇妙」。1990年4月にレギュラー番組としてスタートし、その後、2度のレギュラー放送を経て、現在は年2回の単発企画として続いている。これまでに500話以上を制作。親と一緒に見ていたが、今は子どもと見ている人も多く、フジテレビの配信サービス「FOD」でも有料ながら高い人気を誇っている。

 今と比べると、昔のほうがホラー作品が多い印象もあるが、実際は今とあまり変わらない。幼年期はホラーに対する耐性があまりないため、恐怖心が植え付けられがちだとも言える。ただ、アナログ放送時代のぼやけてざらついた画質は、今にも“貞子”がはい出してきそうな雰囲気を醸しだしていたのも確かだ。

 ホラーも含め「奇妙」が扱うジャンルの幅は広く、物語の展開こそが妙味だ。そこには通底するいくつかのルールがある。幽霊オチ、夢オチはNGというのはもちろん、各エピソードで描く不可思議な出来事を一つに絞った上で、そこから導かれるオチに意外性と合理性を持たせるのが最大の留意点だ。2018年から番組に携わる編成企画担当の渡辺恒也が語る。「予想は裏切るが、期待は裏切らない。こんなことになるとは思わなかったけど、なるほどと思わせる納得感のあるオチでないといけない」

 そして目指す着地点も常に変わらない。最も奇妙なのは人間であるという真実だ。「奇妙な出来事を通して登場人物が抱く様々な感情、虚栄心であったり、 猜疑心(さいぎしん) であったり、恨みであったり。それらが浮き彫りになる作り方を心がけている」。長らく「奇妙」を手掛けてきたベテラン制作者からは「どんな時代でも、別の国の人が見ても面白いと思うかどうか、そこが作品選びの基準」と指導されてきたという。往年の作品が今も支持されるのは、人間という生き物のどうしようもない愚かさや滑稽さを丹念に描き続けてきたからのようだ。

「この雰囲気、見覚えある」…自身もデジャブ経験

「あと15秒で死ぬ」主演の吉瀬美智子(C)フジテレビ
「あと15秒で死ぬ」主演の吉瀬美智子(C)フジテレビ

 今回は、「デジャヴ」「 三途(さんず) の川アウトレットパーク」「あと15秒で死ぬ」「成る」の四つの物語で構成。どれも人の死や意識、時の流れといったものを念頭に練り上げた。

 中でも上白石萌歌が主演する「デジャヴ」は、タイトル通り、多くの人が体験している割に説明しがたいこの脳内現象に真正面から取り組んでいる。「ここには以前来たことがある」「このシチュエーションって前にもあった」――。そんな感覚に代表される“デジャヴ”を繰り返し体験する大学生のひかり(上白石)の前にある日、覆面の男が現れ、ゴルフクラブで襲ってくる。ひかりは 昏倒(こんとう) し、ベッドで目覚める。そこには父親の正隆(鶴見辰吾)がいた。正隆は脳神経科学者である研究を続けていた……。

目覚めると、脳神経科学者の父(鶴見辰吾、右)がそばにいた(C)フジテレビ
目覚めると、脳神経科学者の父(鶴見辰吾、右)がそばにいた(C)フジテレビ

 「奇妙」出演が夢だった上白石は、小学校の頃から家族と番組を見て学校でも友達と盛り上がっていたという。しかし初出演で主演を務めることになったものの、台本を一読しただけでは内容をつかめなかった。「同じことが何度も繰り返され、すごく複雑で3、4回読んでやっと理解できました。撮影は毎日、汗だくで、声も極限まで出して、全身を使って自分のすべてを消耗していくようだった」と振り返る。

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2139664 0 エンタメ・文化 2021/06/20 09:27:00 2021/06/20 15:27:44 2021/06/20 15:27:44 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210614-OYT1I50067-T.jpg?type=thumbnail

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