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奈良市の平城宮跡にある役所跡で、竹尺(竹の物差し)が出土した。現在の竹尺とそっくりな形をしており、奈良時代には実用品として使われていたとみられている。竹製品は土中に残りにくく、同時代の竹尺を確認したのは初めてという。

平城宮の東部にあった役所群「東方
発見した竹尺は断片が9片あり、幅1・7~1・8センチ、厚さ0・2センチ、長さ3・4~13・7センチ。表面に針状の刃物でつけた線刻に墨を入れた1

調査した浦蓉子研究員は「目盛りが細かく、断面に墨の跡があるので実用品の可能性が高い」とみる。使っていた人が目印につけたと思われる矢印状の墨線が見て取れるといい、「私も発掘調査用の巻き尺に同じように目印をつけているので驚いた」と話す。
同じ穴からは、宮城の警備などを担当する役所「
平城京では木簡などの記述から竹材を利用したとみられるが、出土例はきわめて少ない。奈良時代の尺は正倉院宝物の象牙製、
調査成果は、4日に公表された「奈良文化財研究所紀要2021」に掲載されている。