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イケメンなんて「青春を振り返る小道具」…黒木華がさらりと口にする「僕の姉ちゃん」

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 年の離れた姉の言葉にぎょっとさせられたかと思えば、時にモヤモヤが晴れて背中を押される――。そんな会話の妙が人気の漫画「僕の姉ちゃん」が、テレビ東京で連ドラ化され、24日からアマゾンプライムビデオで一挙配信が始まった。姉・ちはる役の黒木 (はる) に「あんなにセンスのあるワードを選べるスキルは私にはない」と言わしめた“至言”の数々とは――。(読売新聞オンライン 旗本浩二)

ちはる(黒木華、右)と順平(杉野遥亮、左)の会話の妙が魅力の「僕の姉ちゃん」(C)テレビ東京
ちはる(黒木華、右)と順平(杉野遥亮、左)の会話の妙が魅力の「僕の姉ちゃん」(C)テレビ東京

人気漫画をドラマ化「言葉にうそがないように」

 「僕の姉ちゃん」は、素朴でまっすぐに育ってきた社会人1年目の順平に、三十路の姉・ちはるが鋭いツッコミを入れていくユーモラスな会話劇。「スナック キズツキ」など女性を中心に幅広い支持を得ている漫画家・益田ミリの代表作の一つで、女性誌「anan」で連載が続いている。実写版は黒木のほか、順平役に杉野遥亮を起用。CMディレクターとして活躍する吉田善子がドラマ初監督・初脚本を務め、それぞれの職場から帰宅後、缶ビールを片手に夜ごと繰り広げられる姉弟の言葉のキャッチボールを描く。

 「原作ものは毎度難しい」と明かす黒木。「リスペクトを忘れず、読者の方のイメージを大切にしながら、監督の言うことも大事にしていかないといけない」。今回は吉田から「ぽんぽんとした会話の間でなく、ゆったりと返していってほしい」と求められ、その感覚を杉野と台本を読み合わせながらつかみ取っていった。「順平とのやり取りの空気感を、見てくれる方にどう感じてもらえるか。言葉にうそがないようにしたかった」

「家庭的キーワードをいちいち入れ込んでくるのがカンにさわるのよ」

 その言葉は1話目からスリリングだ。女性が職場でふと見せる素の部分に興味をひかれるという順平に、ちはるは「女に無意識などない」と言い放ち、こう続ける。

穏やかな口調でちはるは毒を吐く(C)テレビ東京
穏やかな口調でちはるは毒を吐く(C)テレビ東京

 「うちの会社にもいけすかない女がいる。その子、うちの部署のイケメン狙ってるんだけど、その手口がカンにさわるのよ。『昨日、アイロンかけながら見ていたテレビが面白くて』とか、『いつも寄るお花屋さんの前で友達とばったり会って』とか言うの」

 それのどこがカンにさわるのか分からない弟に姉が諭す。「アイロンかけながらとか、いつも寄る花屋とか、家庭的キーワードをいちいち入れ込んでくるのがカンにさわるのよ」

 女性ならずとも「なるほど」とうなずけそうな見解だが、ちはるの 舌鋒(ぜっぽう) はさらに鋭さを増す。実は恋人がいるそのイケメンに懸命にアタックする彼女に順平が同情してみせると、すかさず「勝手に女を被害者にしてんじゃないよ。彼女のいるイケメンのほうが女は接近しやすいのよ。さすがに敷居が高いじゃない、フリーのイケメンは。彼女がいるなら浮気相手として入り込める可能性がある」と持論を展開した。

 これには順平も意見する。「それじゃ結局、傷つくのは女の子のほうじゃん」

 さて、ここからが本作の真骨頂だ。姉はあきれたように弟をあげつらう。「傷? なんだ、それ? あんた、一般人のイケメンとしゃべったことある? 9割方つまんないよ。ああいうのは浮気でちょうどいいの。青春を振り返る小道具みたいなもんね。イケメンと付き合った過去があるなあっていう」。そうか、イケメンなんて“小道具”に過ぎないのか。言われてみると妙に納得してしまう。

枠から飛び出る想像力「友達になりたい」

 その後の回では、ちはるはこの程度の男女の駆け引きなんて些末(さまつ)に思えるほど壮大な言葉も放つ。「3Dプリンターがあったら何コピーしたい?」と尋ねられるや、「地面。つなげて地球」と返したのだ。

 真意はつかみにくいが、黒木は壮大さを感じたという。「枠から飛び出る想像力がすごいし、カッコいい。仕事もきちんとできて、男性ともお付き合いができて、地に足がついていてちゃんと現実を知っているからこそ、遊び心を持てるし、枠の超え方も分かっている。ふしぎな魅力があるんですよ。原作を読んだ時は、こんな人と友達になりたいと思いました」

誰かが見てくれている…気持ちがらくに

 ドラマの成否は、黒木の言う通り姉弟のリアルな空気感を醸し出せるかどうか。当初はシャイでクールなイメージをまとって見えた杉野も、収録が進むうちに打ち解けるようになり、「順平がそこにいる感じで、私の言うことにすなおに返してくれて楽しかった」。そんな弟とのやり取りを続けるうちに、自らはっとしたことがあった。

 「自分のいいところなんてなんもない気がする」と落ち込む順平に、彼の仲のいい中学時代の友人・タケシを引き合いにちはるが語りかけた言葉だ。

「家にいることが多くなり、あまりお酒を飲まなくなってしまった」と黒木は語るが、「これから寒くなるから焼酎とかワインですかね」とも(C)テレビ東京
「家にいることが多くなり、あまりお酒を飲まなくなってしまった」と黒木は語るが、「これから寒くなるから焼酎とかワインですかね」とも(C)テレビ東京

 「あんたのいいところは、別にあんたが知らなくてもいいんでないかい。あんたのいいところはタケシが知ってるし、ほかの友達もまあ知ってるだろうし、別にあんた自身が知らなくてもいいんじゃん。ついでにあたしも知ってるし、あんたのいいとこ――」

 しみじみと黒木が語る。「誰かが見てくれているということ。それで私もらくになれました。親をはじめとして、その言葉で気持ちがらくになるものってたくさんありますよね。(それらをすくい取る)原作の益田さんのセンスがすばらしい。きっとたくさんのことを経験し、感じているからなのだと思います。姉ちゃんの言葉に救われることがたくさんあると思うので、ぜひ楽しんで見ていただけたら」。テレ東では来年放送の予定。

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2393316 0 エンタメ・文化 2021/09/25 10:09:00 2021/09/25 10:09:00 2021/09/25 10:09:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210922-OYT1I50072-T.jpg?type=thumbnail

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