子役を目覚めさせる…少年泥棒の親玉に市村正親、長男・優汰とも共演「本人は役者になるつもり」

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 逆境に負けない少年を描く大作ミュージカル「オリバー!」が10月7日に東京で開幕する。主人公が行動を共にする少年泥棒グループの親玉・フェイギン役は市村正親。英国の名プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュの指名で出演する。子役たちと本気で向き合う72歳の名優に心意気を語ってもらった。(編集委員 祐成秀樹)

「Oom-Pah-Pah(ウンパッパ)」など劇中曲は親しみやすい。「いい曲が多いですよ」=富永健太郎撮影
「Oom-Pah-Pah(ウンパッパ)」など劇中曲は親しみやすい。「いい曲が多いですよ」=富永健太郎撮影

 19世紀ロンドンを舞台に、愛を信じて歩み続ける孤児オリバーや懸命に生きた人々の姿を描く。ディケンズの小説「オリバー・ツイスト」を原作に才人ライオネル・バートが脚本・作詞・作曲を手がけて1960年に初演された。マッキントッシュは77年から制作を手がけており、後に世に出す「レ・ミゼラブル」と似たにおいもする作品だ。今回はジャン・ピエール・ヴァン・ダー・スプイの新演出版で、100人近い大カンパニーが躍動する。「バイタリティーのある演出をする。ゼロから一緒に作っています」

 フェイギンは、オリバーら身寄りのない子供らにスリをさせながら家族のように面倒を見る。指名された理由で思い当たるのは、マッキントッシュが制作した「ミス・サイゴン」で演じたエンジニア役だ。「すごく通じるものがある」。ベトナム戦争下のサイゴン(現ホーチミン市)で女性たちを働かせてキャバレーを営むしたたかな男だ。「生き抜こうとするハングリーな精神がフェイギンと重なったのでは。要望に応えるべく、エネルギッシュだけど老いが近づく悲しみも表現しつつ役を作りたい」

 スリの少年たちは時に大人と渡り合うなど元気いっぱいだ。厳しいオーディションを経てオリバー役にエバンズ 隼仁はやと 、越永健太郎、小林 佑玖たすく 、高畑 遼大りょうた の4人が選ばれ、交互に出演する。「それぞれ甲乙付けがたい色を持っている。ただ、時々、僕が『オリバー』って言ってもキョロキョロしている。稽古が終わった後、相手の目を見なきゃだめだよって注意しています」

 1973年デビュー。名演出家や名優との共同作業で鍛えられ、鋭い眼光、 明晰めいせき なセリフ、気迫の歌声で、多くの役柄に魂を吹き込んできた。それだけに子役たちを目覚めさせたい。「過度にエネルギーを出しています。そりゃあ、浅利慶太さん、蜷川幸雄さんにしごかれた俳優だからね。芝居はこうなんだって見せつけるのは僕の役割です」

 泥棒一味の一人、スネイク役に長男の市村優汰(13)が、河内奏人とダブルキャストで配役されている。数年前、大作のオーディションで選に漏れてから発奮してタップダンスや発声を学んだ成果が出た。「稽古場では傍観してますよ。演出家や振付家、音楽監督の言うことを聞いて芝居を作っているので。本人は役者になろうと思っているから応援してあげたいね」

 フェイギン役は武田真治とダブルキャスト。11月7日まで渋谷・東急シアターオーブ。(電)03・3490・4949。

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2409431 0 エンタメ・文化 2021/10/01 08:47:00 2021/10/01 11:54:14 2021/10/01 11:54:14 ミュージカル「オリヴァー」に出演する俳優の市村正親さん(15日、東京都墨田区で)=富永健太郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210929-OYT1I50040-T-e1633056850275.jpg?type=thumbnail

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