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「冬の時代」の出版ノンフィクション、新タイプの書き手続々…専門サイトも

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 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「ノンフィクション」。

 ノンフィクションは知られざる事実を掘り起こし、社会に問う役割を担ってきた。だが出版不況で取材の手間と費用が大きな負担になったうえ、立花隆さんをはじめ時代を画した著者が死去するなど苦境が続く。その中で、新しいタイプの書き手が次々と登場し、専門サイトが作られるなどの動きも出てきた。

資金を出させる能力あった立花隆さん

 ノンフィクションの金字塔と言えば、今年4月に死去した立花さんが1974年に月刊誌「文芸春秋」に発表した「田中角栄研究」だ。同誌は立花さんを中心に約20人のチームを組み、時の首相の金脈を徹底的に調べた。人に話を聞き、膨大な資料を読み込む時間や資金が必要なノンフィクションはかつて、多くの月刊誌が支えた。雑誌の成長期だった70年代、立花さんのほか、柳田邦男さんや澤地久枝さんら優れた書き手が現れた。

 だが2000年代以降、雑誌不況とともに、ノンフィクションを掲載する媒体は次々に姿を消した。「現代」「論座」「諸君!」に続き、「G2」が15年、「新潮45」は18年に休刊した。出版社は雑誌の連載時、書き手に対し定期的に原稿料を支払い、書籍が出るまでの著者の取材を支えた。この仕組みが失われると、フリーで取材を続けるのは困難になる。

 ノンフィクション作家の保阪正康さんは「立花さんは自ら設定したテーマで出版社を動かし、資金を出させる能力があった。彼の亡き後、このジャンルが自立し得るのか、という問いが突きつけられている」と話す。

書き手やテーマ 多様性拡大

 名門の賞「大宅壮一ノンフィクション賞」は、近年の候補作に、組織力や資金力があるテレビのノンフィクション番組を書籍化した本や、安価に刊行できる新書形態の本が目立つようになったという。事務局の業務執行理事を務める飯窪 成幸まさゆき さんは「初版部数が減り、一つの本が売れている期間も短くなった。『冬』は感じるが、時代性を捉えて売れる作品もある」と話す。

 新潮ドキュメント賞の社内選考で座長を務める新潮社出版企画部長の 正田幹まさだみき さんも、「『巨悪を暴く』といった狭義のノンフィクションは難しくなっているが、『フィクションではないもの』と視野を広げれば、書き手やテーマの多様性はむしろ広がってきた」と語る。

 英国で育つ息子の姿を通して、欧州が抱える人種や格差の問題を考えさせる19年の「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が話題となった元保育士のブレイディみかこさんや、昆虫学者の前野ウルド浩太郎さんら、個性的な書き手が活気づけているとみる。

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