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壮大で思索的な歴史ドラマ「カムイ伝」などで知られる漫画家の白土三平(しらと・さんぺい、本名・岡本登=おかもと・のぼる)さんが8日、

プロレタリア美術の論客だった洋画家、岡本唐貴の長男として東京に生まれた。紙芝居の制作を経て、1957年、貸本用の単行本「こがらし剣士」でデビュー。「甲賀武芸帳」を経て、戦国大名らの支配層に地侍や農民らが一揆を起こす「忍者武芸帳 影丸伝」は、思想誌「思想の科学」などで評価された。60年代末には、学生運動で挫折感を抱える大学生にも幅広く読まれた。
少年漫画誌でも「サスケ」などで活躍。64年からは、「月刊漫画ガロ」で、差別的な江戸時代の身分制度を背景に、忍者や農民、武士らが時代にあらがう「カムイ伝」を連載。漫画表現の可能性を広げた同作はライフワークとなり、掲載誌を変え2000年まで連載された。1963年「シートン動物記」「サスケ」で講談社児童まんが賞。千葉県の漁村に住み、アウトドアライフのエッセーも執筆した。
また、白土さんの弟で、多くの作品で作画を手掛けた岡本鉄二(おかもと・てつじ)さんが、12日、間質性肺炎のため、死去した。88歳だった。(写真は小学館提供)