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【ニューヨーク=村山誠】黒人として初めて米アカデミー賞主演男優賞を受賞した米俳優シドニー・ポワチエさんが6日、バハマで死去した。94歳だった。国籍を持つバハマの政府当局者が7日、フェイスブックで発表し、AP通信などが伝えた。



米フロリダ州マイアミ生まれ。少年時代をバハマで過ごした。10代で渡米し、黒人による劇団で裏方の仕事をしながら演技を学び、1946年にブロードウェーの舞台を踏んだ。
40~50年代の米国社会は差別が激しく、ハリウッドで活躍する黒人俳優もほとんどいない中、55年の「暴力教室」の生徒役で注目された。63年の「野のユリ」で教会の建設に奮闘する青年を演じ、黒人として初のアカデミー賞主演男優賞に輝いた。
67年の「招かれざる客」では黒人男性と白人女性との結婚というテーマに挑み、同年の「夜の大捜査線」では、人種差別と闘いながら、事件を解決していく刑事を熱演。善良で知的なイメージを定着させ、ハリウッドでの黒人俳優の地位向上に貢献した。
2001年度のアカデミー賞名誉賞を受賞、09年に米国の大統領自由勲章を与えられた。1995年にバハマの初代駐日大使に任命された。