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出版社や出版取次などで作る調査機関「出版科学研究所」は25日、2021年の紙と電子を合わせた出版物の推定販売金額が前年比3・6%増の1兆6742億円となり、3年連続で増加したと発表した。電子出版の拡大に加え、紙の書籍が同2・1%増の6804億円と、15年ぶりにプラスに転じた。コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げが好調だったという。

同研究所によると、紙の書籍では絵本、図鑑、学習漫画などの児童書が好調で同4%増。文芸書も同3%増で、芥川賞を受けた宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」や、本屋大賞に輝いた町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」などの話題作が売れた。
一方、紙の雑誌は若者向けファッション誌「JJ」や老舗雑誌「日本カメラ」などの休刊が相次ぎ、同5・4%減の5276億円。雑誌の不調が響き、紙の出版物全体では同1・3%減の1兆2080億円で、17年連続のマイナスとなった。

電子出版は電子コミックが好調で、同18・6%増の4662億円。出版市場全体に占める割合は27・8%で、前年から3・5ポイント上昇した。