日本の装丁の世界の第一人者として知られたブックデザイナーの菊地信義(きくち・のぶよし)さんが3月28日、心不全で死去した。78歳だった。告別式は近親者で済ませた。喪主は妻、妙子さん。
菊地信義氏 東京都出身。多摩美術大中退後、1977年に独立。タイトルの文字に揺らぎを持たせるなど特徴的なデザインを考案した。俵万智さんの歌集「サラダ記念日」の装丁を手掛けたことでも知られる。澁澤龍彦「高丘親王航海記」など一連の作品で88年、講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞した。
装丁を担当した主な本に、「古井由吉自撰作品」など。著書に「菊地信義の装幀」。