国宝の藤原定家「源氏物語」注釈書、欠損1枚が掛け軸に貼られた状態で発見

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 鎌倉初期を代表する歌人、藤原定家(1162~1241年)が手がけた源氏物語の注釈書「定家筆源氏物語 奥入おくいり 」の一部が見つかった。注釈書は国宝に指定されているが、少なくとも10ページ以上が欠損しており、今回見つかったのはそのうちの1ページ。池田和臣・中央大名誉教授が東京都内の古美術商から掛け軸に貼られた状態で購入し、定家筆源氏物語奥入の一部と確認した。

発見された「定家筆源氏物語奥入」の一部
発見された「定家筆源氏物語奥入」の一部

 定家筆源氏物語奥入は、定家が家中の女性たちに源氏物語全54 じょう を写させ、その際に各巻末に記した注釈部分だけを後に切り出して1冊にまとめたもの。今回発見されたページは縦16・7センチ、横14・9センチで、池田名誉教授が2年前、古美術商から「定家筆かもしれない」と聞いて掛け軸ごと購入した。調査すると、現存する奥入原本の近接ページにも、このページと同じ形の虫食い痕があったことや、書体も定家独特のものであることなどが分かり、定家筆と確認した。

 発見されたページには源氏物語24帖「胡蝶」の注釈が8行記されていた。光源氏の妻・紫上の御殿での宴の場面で使われた「亀の上の山」という言葉は、唐の詩人・白居易の詩文集「白氏文集」を踏まえたもので、「不老不死の世界である蓬莱山のこと」などと注釈する。

 また、掛け軸が収められていた箱には、「定家筆で間違いない」とする江戸前期の公卿、 藤谷為條ふじがやつためえだ の鑑定書も入っていた。藤谷家は定家の子孫・冷泉家の分家。為條の娘は、江戸時代に定家筆奥入を写させた霊元天皇(1654~1732年)に仕えており、これらのことから、霊元天皇が奥入を写させた後に、切り出されたと考えられるという。

 池田名誉教授は「古来お茶を愛する人が、古い本の一部を切って掛け軸に貼って楽しむことがあった。このページは、明治時代以降に作られたとみられる掛け軸の上に貼られていたが、同様の理由からだろう」と話している。

スクラップは会員限定です

使い方
「エンタメ・文化」の最新記事一覧
2935955 0 エンタメ・文化 2022/04/20 05:00:00 2022/04/20 13:10:32 2022/04/20 13:10:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220419-OYT1I50124-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)