所在不明だった松尾芭蕉の「野ざらし紀行」見つかる…挿絵も自筆「俳聖の絵心伝える史料」

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 江戸時代の俳人・松尾芭蕉(1644~94年)が俳風を確立するきっかけになったとされる紀行文、「野ざらし紀行」の自筆稿が見つかり、京都市の福田美術館が24日発表した。存在は知られていたが、長年所在不明だった資料。挿絵も自筆で、「俳聖の絵心を知る上でも貴重」だという。10月22日から同館で公開される予定だ。

「野ざらし紀行」で芭蕉が描いた二月堂周辺の情景。「水とりや 氷の僧の 沓の音」の句が添えられている=福田美術館提供
「野ざらし紀行」で芭蕉が描いた二月堂周辺の情景。「水とりや 氷の僧の 沓の音」の句が添えられている=福田美術館提供

 「野ざらし紀行」は、1684年夏から約9か月かけて伊勢(三重)や故郷の伊賀(同)、京の都や尾張(愛知)などを巡る行程で記した作品。今回の自筆稿は長さ約15メートル、幅23センチの巻物で、交流のあった俳人・山口素堂による序文も付く。

巻いた状態=福田美術館提供
巻いた状態=福田美術館提供

 1940年代に大阪で展示された記録があり、70年代の書籍でも写真入りで紹介されたが、所蔵先が不明だった。昨年12月に同館が美術商から購入し、筆跡調査で真筆と確認した。

 芭蕉直筆の「野ざらし紀行」は、天理大付属天理図書館(奈良県天理市)の所蔵品と今回の自筆本の二つだけが知られ、前者には挿絵や序文はない。福田美術館では「天理本」は支援者向けの速報版、今回の自筆本は編集し直した完成版と推測している。

 挿絵は文と俳句に合わせたもの。冒頭の「野ざらしを心に風のしむ身 かな   秋十あきと とせ かえっ て江戸を 指古郷さすこきょう 」の句には城や集落が、奈良・東大寺二月堂の 修二会しゅにえ (お水取り)を詠んだ「水とりや 氷の僧の  くつ の音」にはお堂や木々が柔らかに描かれている。

 岡田秀之・同館学芸課長は「保存状態がよく、芭蕉が色遣いや文字と絵の組み合わせを考え抜いたことがよく分かる」と話している。

スクラップは会員限定です

使い方
「エンタメ・文化」の最新記事一覧
3025996 0 エンタメ・文化 2022/05/24 11:51:00 2022/05/25 11:35:33 2022/05/25 11:35:33 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220524-OYT1I50077-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)