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今年2月に89歳で亡くなった作家で元東京都知事の石原慎太郎さんが、自身と妻の没後の刊行を条件とした自伝を書き残していたことが分かった。幼年時代をはじめ、文学や政治、女性遍歴などに関して包み隠さず記している。「『私』という男の生涯」の題で、幻冬舎から出版される。

石原さんは1995年、国会在職25年の表彰を機に62歳で衆院議員を辞職した。同著によると、原稿は65歳になる前、<突然、ただ私自身のためにと思って>書き出した。
海を愛した作家らしくヨットの思い出から書き起こす。戦後、軍国主義から急に態度を変えた教師への不信や父の死と弟の裕次郎さんの
国政活動については、<私にとっては完璧な自己表現たり得はしなかったし、心身ともの充足を与えてくれることもなかった>。文学と政治の両立にも、<日本という社会の狭量さは著名な政治家が優れた小説を書くことを許容しない節がある>と、不満を記した。
自民党タカ派のグループ「青嵐会」の活動は納得いくものだったとし、カミソリで指を切り血判状を作ったことも思い出している。
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