人類は何を食べてきたか?――フィールドワークから探る肉食の30万年

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 私たち人類は、これまで何を食べてきたのでしょうか?

 たとえばキリン、ライオン、チーター、ワイルドキャット、アザラシ、セイウチ……これらは講師とナビゲーターがフィールドワークで食べてきたものの一例です。

 かつて狩猟や採集の時代には、世界の食文化は多様性に満ちていました。その後、農耕や家畜飼育が始まり品種化も加わることで、食はどのように変わったのでしょうか。さらには、近代化とともに食材が開発されて料理が発展し、新たな食文化や食文明が誕生しています。これによって、人類の生活ははたして豊かになったのでしょうか。

 講師の池谷氏は、アフリカのカラハリ砂漠に暮らすサン(ブッシュマン)の人びととともに生活することをとおして、スイカやライオンなどの生き物と人とのかかわり方に関心を持ってきました。また現地では、ハンターやギャザラーに弟子入りをして、彼らとともに歩くことを調査の基本にしてきました。その後、かつて人類が歩いた道に沿って、「乾燥帯アフリカ」につづき「熱帯アジアの森と海」、「日本の森林」、「極北ツンドラとベーリング海」、そして「アマゾン熱帯林」などのフィールドワークをとおして人類にとって食とは何かを考えてきました。

 食のなかで「肉食」は、いったい人類に何をもたらしたのでしょうか。ホモ・サピエンスが誕生したとされる30万年前の過去から現代文明にいたるまで、肉食が世界中に展開して拡大を続けています。ここでは、ますます需要が増加する肉食に焦点を当てながら、最近の和食や健康食ブーム、家族やコミュニティとともに食事をする「共食」から一人で食事をする「個食」への変化にもふれながら、地球環境史の視点からホモ・サピエンスの食の未来を展望します。

 また、ナビゲーターの岸上氏は、カナダ・イヌイット社会をフィールド調査に長年携わっており、近年のクジラ問題にも造詣が深い方です。世界から非難を浴びる鯨肉文化などを例に、文化摩擦をどのように考えるべきか、講師とともに迫ります。

【講座の概要】
タイトル:人類は何を食べてきたか?――フィールドワークから探る肉食の30万年
講師:池谷和信
 (国立民族学博物館・人類文明誌研究部・教授、総合研究大学院大学・文化科学研究科長)
ナビゲーター:岸上伸啓
 (人間文化研究機構・理事、国立民族学博物館・学術資源研究開発センター・教授(併任))
開催日   2019年12月4日(水)18時30分~20時15分(開場18時00分)
会場    読売新聞ビル3階新聞教室(東京都千代田区大手町1-7-1)
受講料   無料
定員    100人(定員に達し次第、締め切ります)
主催    読売新聞東京本社
運営協力  中央公論新社
特別協力  大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
問い合わせ  t-academia@yomiuri.com (メールにて受け付けます)

※申し込みはこちらから

※企画内容、時間などは予告なく変更になる場合があります。

※定員に達しますと受付終了となりますが、空席が生じますと自動的に受付を再開いたします。随時受付状況はご確認ください。

※講師の急病や天災その他のやむを得ない不可抗力の事情が生じた場合は、当日でも講座を中止することがありますのでご了承下さい。

【動画上映のご案内】
 講演に先立ち、18時00分の開場から18時30分開演までの間、国立民族学博物館の紹介動画を上映することが決定いたしました。リピート上映をする予定ですが、時間に限りもございますため、ご視聴を希望される方は、開場時間にあわせてのご来場をお願いいたします。

講師プロフィル

池谷 和信(いけや かずのぶ)
国立民族学博物館・人類文明誌研究部・教授、総合研究大学院大学・文化科学研究科長。
静岡県生まれ。専門は生態人類学、人文地理学。東北大学理学部地球科学系卒業、同大学大学院理学研究科博士課程退学後、北海道大学文学部を経て、1995年8月より国立民族学博物館。博士(理学)。著書に、『狩猟採集民からみた地球環境史』(編著、東大出版会)、『人間にとってスイカとは何か』(臨川書店)、『わたしたちのくらしと家畜』(童心社)など。

<メッセージ>
 私は、世界各地でのフィールドワークをとおして、現在に生きる狩猟採集民は何でも食べるという印象を持っています。キリンからライオン、チーターからワイルドキャットまで、何でも食べてきました。この意味では、日本の動物園は彼らの眼からみると「食肉園」なのかもしれません。その一方で地球全体をみると、「おいしいもの」を追究するあまりに過剰に資源を利用した結果、地球生態系を大きく改変してきた側面もあります。ホモ・サピエンスは、これからどこへ向かうのでしょうか。私たち人間にとって食とは、食べるとは何かを考えてみたいと思います。

ナビゲーター

岸上 伸啓(きしがみ のぶひろ)
人間文化研究機構・理事、国立民族学博物館・学術資源研究開発センター・教授(併任)。
高知県生まれ。専門は極北先住民の文化人類学。早稲田大学文学部助手、北海道教育大学助教授、国立民族学博物館助教授、同館教授を経て、2018年4月より現職。著書に『イヌイット』(中公新書)、『カナダ・イヌイットの食文化と社会変化』(世界思想社)、『クジラとともに生きる』(臨川書店)など。

<メッセージ>
 私たちは何気なく、当たり前のように毎日食事をしています。多くの人間には食べ物について好き嫌いがあります。私は大学生になるまで大変な偏食家でしたが、東京で一人暮らしを始めると徐々に何でも食べるようになりました。しかし、約35年前にはじめてフィールド調査に行ったカナダ・イヌイット社会では、経験したことのないアザラシやセイウチなどの生肉食に慣れるまで大変に苦労しました。

 生物である人間は食べないと生きていけません。何が食べ物であり、何が食べ物でないかは、場所や時代、文化によって異なります。今回は、世界各地でフィールド調査を行なってこられた池谷先生に「肉食」の歴史と現状についてお聞きし、質問することを楽しみにしています。私たち人間にとって食とは何かを考えてみましょう。

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885546 0 大手町アカデミア 2019/11/06 05:20:00 2019/11/11 17:27:25 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191028-OYT8I50039-T.jpg?type=thumbnail

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