自然の「恵み」と「災い」の関係を考える~気候変動時代の防災減災(オンライン無料特別講座)
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東日本大震災から10年となる今年、改めて自然災害に対する関心が高まっています。本講座では、今の時代における自然の「恵み」と「災害」の関係について考えます。
気候変動時代の防災減災とは

現代の私たちの生活は、台風や豪雨などによる浸水や土砂災害などの自然災害リスクにさらされています。
人々の暮らしと自然との関わりを、災害リスクの面から考える様々な取り組みも注目されており、「自然が持つ多様な機能を賢く利用することで、持続可能な社会と経済の発展に寄与するインフラや土地利用計画=グリーンインフラ」もその一つです。
人間は太古より自然の恵みを受けて生きてきました。一方、産業や技術の発展が、自然に影響を与えてきたこともまた事実です。

今私たちは改めて、自然の「恵み」を受ける暮らしや、その中で「災い」とどのように関わっていくかについて考える必要があるのではないでしょうか。
昨年12月には、連続講座「持続可能な『自然・社会・人間』の関係性を考察する」の第1回として、近世江戸における幕府の災害対策について、国文学研究資料館教授の渡辺浩一氏にお話しいただきました。
第2回となる今回は、生態学や陸水学がご専門で、生物の多様性や複雑性を解き明かす研究と、生態系を利用した防災減災(Eco-DRR)など人と自然のかかわりに関する研究に取り組んでいる、総合地球環境学研究所准教授の吉田丈人氏に「自然の『恵み』と『災い』の関係を考える~気候変動時代の防災減災」についてお話しいただきます。
本講座はオンラインで開催いたします。
【講師による講座内容のご紹介】

河川の氾濫による浸水や土砂災害などの自然災害が、近年頻繁に発生しています。気候変動の影響が拡大しつつあると懸念されており、自然災害へのより良い適応が社会に求められています。一方、日本の多くの地域社会では、人口減少と少子高齢化の問題が進行しています。しかし人口減少は、災害が起こりやすい場所の土地利用を、市街地などの集約的な利用から、自然や生態系としての利用に見直すことができるチャンスもつくります。
自然災害リスクは、ハザード(気象条件など)と曝露(土地利用によってハザードに曝さらされる程度)と脆弱性(影響の受けやすさ)が組み合わさって発生します。土地利用を見直すことで災害ハザードへの曝露を下げれば、自然災害のリスクを低く抑えることが可能になります。生態系と生物多様性がもたらす多様な恵みを活かしながら同時に防災減災することは、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)と呼ばれ、地域社会の持続可能性にとってますます重要になると考えられます。
私たちは、総合地球環境学研究所において、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の手法を広く社会に実現すべく、研究と実践に取り組むプロジェクトを実施しています。この講座では、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の考え方や事例を紹介し、これからの時代の防災減災のあり方について、皆さんとともに考えたいと思います。
開催概要
自然の「恵み」と「災い」の関係を考える~気候変動時代の防災減災 | |
吉田丈人氏(総合地球環境学研究所・東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
聞き手:多葉田聡(読売新聞東京本社 調査研究本部 主任研究員) | |
2021年4月20日(火) 18時~19時45分(予定) | |
オンライン配信(Microsoft Teams ライブイベントを利用します) | |
(1)吉田丈人氏による講演
(2)質疑応答 | |
無料 | |
100名(定員に達し次第締め切ります) | |
参加者の方には前日までに視聴URLをメールでお送りします。
※視聴方法については、本文下部の「視聴方法について」をご覧ください。 | |
こちらから | |
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
一般社団法人 読売調査研究機構 | |
読売新聞社 |
※昨年Peatixにおいて発生した不正アクセス事象およびパスワードの再設定方法については以下をご参照ください。
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不正アクセス事象について
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パスワードの再設定方法について
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Peatixの利用をご希望されない場合は、本セミナーを主催する 読売調査研究機構 まで、メールでお問い合わせください。
講師プロフィル
吉田 丈人氏 (よしだ・たけひと)
総合地球環境学研究所・東京大学大学院総合文化研究科 准教授

生態学や陸水学が専門で、生物の多様性や複雑性を解き明かす研究と、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)など人と自然のかかわりに関する研究に取り組んでいる。主な編著書に、『実践版!グリーンインフラ』(日経BP)、『地域の歴史から学ぶ災害対応:比良山麓の伝統知・地域知』(総合地球環境学研究所)、『シリーズ現代の生態学6:感染症の生態学』(共立出版)がある。
【講師によるメッセージ】
近年頻発するとともに気候変動により今度さらに増加すると予想される自然災害に対して、私たちはどのように向き合えばいいのでしょうか。インフラの老朽化や財政的な負担は、持続可能な防災減災のあり方にも大きく影響します。日本全国のすべての場所でこれまでと同じように自然災害に対応することは、難しくなりつつあります。自然の災いを避けつつ自然がもたらす多様な恵みを活かす「生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)」は、地域社会に新しい選択肢を提供しています。それぞれの地域の実情に応じた、自然災害への適切な対応とは何かをよく考え、それを実践していくことが持続可能な地域社会の構築に求められています。
人間文化研究機構について
国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、国立国語研究所、国際日本文化研究センター、総合地球環境学研究所及び国立民族学博物館の6つの機関で構成されています。
人間文化研究機構では、国内外の大学等研究機関や地域社会等と組織的に連携し、現代的諸課題の解明に資する「基幹研究プロジェクト」を進め、人間文化の新たな価値体系の創出を目指しています。 https://www.nihu.jp/ja/research
視聴方法について
本講座は、Microsoft Teamsライブイベントを利用して行います。
参加者には、当日までに視聴URLをメールでお送りします。
Microsoft Office365のアカウントがなくても参加いただけます。
PCではブラウザからご覧いただけますが、スマホからはTeamsアプリのダウンロードが必要となります。
詳しくは、
こちら
(Teamsライブイベントへの参加方法)をご覧ください。
※企画内容、時間などは予告なく変更になる場合があります。
※講師の急病や天災、その他やむを得ない不可抗力の事態が発生した場合には、当日でも講座を中止することがあります。
※配信中のインターネット環境によっては、画像・音声の乱れが現れる場合がございます。Wi-fi環境など高速通信が可能な、電波の良いところでご視聴ください。
※講座の様子は、事後に主催者が運営・管理する媒体で、記事や動画として掲載されたり、公式SNSで紹介されたりする場合があります。