[記者が選ぶ]1月23日

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

『2034 米中戦争』(E・アッカーマン、J・スタヴリディス著)

 2034年、南シナ海でアメリカ海軍の駆逐艦が突如撃沈される。本土に大規模なサイバー攻撃を受けた米国は、空母2隻を派遣するが……。米の海兵隊出身作家と退役海軍提督による近未来軍事スリラーだが、手に汗握るエンターテインメントではない。悪夢のような展開と予想を超える結末に背筋が凍る。

 現在の米中対立が、双方の誤解や妄信から軍事衝突に発展した時、何が起きるのか。本書は核兵器使用に至る戦争拡大のプロセスを克明に描き、読者に最悪の事態を想定するよう警告する。日本はどう対処すべきなのか、真剣に考えるきっかけになるだろう。熊谷千寿訳。(二見文庫、1430円)(良)

『デンデケ・アンコール』(芦原すなお著)

 ベンチャーズのヒット曲「パイプライン」に魅了された香川の高校生バンドを描き、1991年に直木賞を受賞した『青春デンデケデケデケ』の、30年ぶりの続編。上京した主人公は、プロを目指すも挫折し、一度はギターを手放す。年を重ね、演奏を再開し、かつて同じようにロックの衝撃を受けた仲間と出会う。

 「パイプライン」のギターはなぜ「デンデケ」と書くのか。「ジョニー・B・グッド」のイントロに「ロックの神髄」が宿るのはなぜか。語り口は前作より熱量を増した。偶然出会った中年の同世代が、リハーサルなしに「せーの」で合わせて演奏できてしまう。誰かと時代を共有できるのは音楽の喜びだ。(作品社、2970円)(央)

スクラップは会員限定です

使い方
「エンタメ・文化」の最新記事一覧
2707572 0 コラム 2022/01/28 05:25:00 2022/01/28 05:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220126-OYT8I50005-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)