[記者が選ぶ]6月5日

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名探偵と海の悪魔(スチュアート・タートン著)

 17世紀、東インド会社の総督一家を乗せバタビア(現ジャカルタ)からオランダへと向かうザーンダム号。この帆船は出港直前、不気味な呪いをかけられていた。「すべてに無慈悲な破滅がもたらされる」と。

 船内の独房に閉じ込められた名探偵に代わって、怪事件を捜査するのは美丈夫の従者アレント。しかし本国の魔女狩りが生んだ悪魔・ トム翁オールド・トム の影が忍び寄る。

 迷宮的ミステリー『イヴリン嬢は七回殺される』が喝采を浴びた英国の新鋭の第2作。閉ざされた空間で起きるオカルト的不可能犯罪にどろどろの愛憎劇が絡む、悪夢のような世界に浸れる。濃密でダークな魅力満載だ。三角和代訳。(文芸春秋、2750円)(佐)

それでも日々はつづくから(燃え殻著)

 おじさんも十人十色。世の中には「人と話すときマウントを取らないと死ぬんじゃないか」みたいな やから も確かにいるが、「『どっちかというと消えたい』くらいの傷だらけで生きている」おじさんもいる。

 小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』でデビューした著者による、エッセー集である本書は、後者のおじさんのような人たちにそっと寄り添ってくれる鎮痛剤のような一冊だ。

 注意点が一つだけ。収録されているエッセーの中には、「解放してあげるよ」や「お前、覚えてろよ」など、不意に涙腺を刺激するものも含まれているので、一人で読むことをお勧めしたい。特におじさんには。(新潮社、1595円)(十)

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3069114 0 コラム 2022/06/10 05:25:00 2022/06/10 05:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/06/20220606-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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