[記者が選ぶ]6月26日

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沖縄返還と密使・密約外交(馬場錬成著)

 50年前の沖縄返還の裏側では、2人の大学教授が密使として動き、核、繊維交渉、対米支払いに関する密約があった。読売新聞社会部記者として、その時代に立ち会った著者が、過去の新聞や取材メモ、論文などを基に当時を振り返る。

 佐藤栄作首相とニクソン大統領という、官僚をあまり信用しない人物同士の間で加速する秘密外交。対米支払いに関する密約は、毎日新聞記者と取材源の外務省女性職員が国家公務員法違反罪に問われた外務省機密 漏洩ろうえい 事件へと発展する。

 「国家権力とはいかに強固な体制組織として組みあがっているか」との著者の危機感が、文面からひしひしと感じられる。(日本評論社、3080円)(十)

業火の (まち) (ドン・ウィンズロウ著)

 米北東部の小さな港町。アイルランド系マフィアの一員、ダニーはビーチで見かけた女に不吉な予感を抱く。「こんな美しい女はたいてい厄介事を き起こす」のだと――。

 血と暴力の世界を描く人気の米作家による新3部作の第1弾。縄張りを住み分けパーティーに招き合うなど共存共栄していたイタリア系マフィアとの間に起きた小さな摩擦。それは敵陣営の抹殺をもくろむ壮絶な抗争へ発展してゆく。

 登場人物は皆、人間くさく家族愛にあふれている。それだけに、小さなプライドのため破滅に向かう道程が悲しい。移民国家の裏側をえぐり出すような佳編。田口俊樹訳。(ハーパーBOOKS、1440円)(佐)

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3126538 0 コラム 2022/07/01 05:25:00 2022/07/01 05:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/06/20220627-OYT8I50073-T.jpg?type=thumbnail

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