『嘘つきジュネ』 タハール・ベン・ジェルーン著

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 裏切りを称賛している『泥棒日記』でスキャンダラスな脚光を浴びたジャン・ジュネは、遺作となった『恋するとりこ』で、「裏切りの恍惚こうこつを知らない者は、恍惚について何も知らない」と記している。

 ジュネの最晩年の10年、一方的な連絡で呼び出されては、会話を重ね、時間を共にした著者(モロッコ出身の作家)による回想である。「矛盾のかたまり、予測不能な人間、うそつき」、ジュネは評判通りだったが、嘘で挑発された相手は、自己批判を余儀なくされる。ジュネは、あらゆる事象を「対角線に見る」「斜めに見る」ことで本質にずけずけと踏み込む。異なる位相から世界が見えてくるのだ。彼は何にもまして「偉大な詩人、偉大な作家であり、書くものの優雅と美によってみずからを救いえた異端者であった」。

 パレスチナ難民の死臭が覆う場に遭遇したジュネは、死に至るまでパレスチナに関わる。イスラエルの米国大使館がエルサレムに移転することになり、さらなる紛争の泥沼化が懸念されるなか、世代を超えて、ジュネに触れて欲しいと思わせる一冊である。岑村傑みねむらすぐる訳。

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11755 0 書評 2018/03/19 05:22:00 2018/03/19 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180312-OYT8I50105-1.jpg?type=thumbnail

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