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『共謀 トランプとロシアをつなぐ黒い人脈とカネ』 ルーク・ハーディング著

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『共謀』(集英社)(1日、読売新聞東京本社で)=大石健登撮影
『共謀』(集英社)(1日、読売新聞東京本社で)=大石健登撮影

民主主義の根幹を破壊

 2016年の米大統領選の際、ロシアはツイッターやフェイスブックなどのSNSを使って民主党のヒラリー・クリントン候補を攻撃したとされる。その際、共和党のドナルド・トランプ陣営との共謀があったのか。この「ロシア疑惑」の発端となったのが、英国の諜報ちょうほう機関MI6の元職員クリストファー・スティールが作成したメモ、「ロシア側がトランプの弱みを握っている」とする「スティール文書」である。

 著者は、このメモを手がかりに、スティール本人をはじめとする多数の関係者に取材、さまざまな断片的な事実、例えば資金の不可解な流れなどを、無数のパズルの断片をつなぎ合わせるように丹念に積み重ねていく。浮かび上がってくるのは、キプロス銀行、ドイツ銀行などを舞台に展開するマネーロンダリング、ロシアがトランプの不動産を不当に高額で購入する等々、トランプと閣僚にもなるその側近たちの、長年にわたるロシアとの危うい関係を象徴するようなビジネスだ。

 著者によると、ロシアはトランプに旧ソ連邦時代の1980年代から目をつけていたという。トランプ自身は、ロシア疑惑についてもちろん否定をしているのだが、ロシア側との「共謀」のスキームを浮かび上がらせる手腕は、一級のスパイ小説を読むような興奮がある。

 先月、評者がシカゴ出張の折、米国では、トランプによって昨年5月に解任されたコミー元FBI長官の告発本『A Higher Loyalty(より高き忠誠心)』が発売され、書店のスペースを占領するほどの話題になっていたが、大統領の支持率は下がっていない。「トランプもその支持者の多くは本を読まない層、民主主義の根幹を破壊する『共謀』が認定されない限り、トランプは続くのかも知れない。米国ばかりか西側諸国の悲劇だ」とは知人の言である。二分化している現在の米国を際立たせてくれる1冊だ。高取芳彦、米津篤八、井上大剛訳。

 ◇Luke Harding=記者、著述家。2007~11年、英紙「ガーディアン」モスクワ支局長を務めた。

 集英社 2300円

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20736 0 書評 2018/05/14 05:26:00 2018/05/14 05:26:00 『共謀』(集英社)(1日、読売新聞東京本社で)=大石健登撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180507-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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