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『木戸孝允と幕末・維新』 齊藤紅葉著

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 維新の三傑と呼ばれた大久保利通・西郷隆盛・木戸孝允の三人のうち、木戸はほかの二人に比べ、あまり言及されることがない。ドラマティックな生涯を駆けぬけた西郷と、沈着冷静な実務家という印象を放つ大久保。その二人に挟まれて、とらえどころがないと思われているふしがある。

 本書の副題に見える「急進的集権化」の言葉が、木戸にはっきりとした顔を与えてくれた。幕末期に若くして長州藩の政治に腕をふるうようになって以来、少数のすぐれた人材が指導する統治組織を作ることに、その関心はあった。「公論」による政治を唱え、立憲政体の導入をめざしたのも、要点は幅広い支持を基盤にして権力を集中することにあったというわけだろう。

 しかし、その方針で廃藩置県を主導し、大久保とともに明治政府の中枢を担うようになったとたん、諸方面からの批判を受け、実権を失ってゆく。変革期にはぴったりの才能だったが、できあがった政権で多数の課題を調整する作業には向いていなかった。政治家の人格と情勢との相性について、深く考えさせられる。

 京都大学学術出版会 4000円

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24671 0 書評 2018/06/11 05:21:00 2018/06/11 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180604-OYT8I50058-T.jpg?type=thumbnail

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