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評・森 健(ジャーナリスト)

『葬儀業界の戦後史』 玉川貴子著

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 昨年の死亡数は134万人で戦後最多。多死社会が到来する中、葬儀業界の変遷から社会を捉えたのが本書だ。

 研究者である著者の時代区分は四つ。「消費者」という概念が出てくる1945年から60年代、葬祭業がサービス業として成立し、業界団体もできた70~80年代、「自分らしさ」など個性が葬儀で求められるようになった90年~2010年代、エンディングノートや終活などが広まりだした10年代以降である。

 60年代頃は死はタブー視され「葬式無用論」も出たが、70年代以降、経済の発展とともに葬儀は社交の場となり、祭壇や霊柩車れいきゅうしゃなど「見せる」要素が強化された。同時期、自宅での葬儀から葬儀会館での葬儀が一般化する。葬儀会館の式場では僧侶の読経が響く中、焼香などの儀礼的所作が行われ、「象徴的に『死』が作り上げられる」。

 葬祭業者側にサービス業という意識、遺族は「お客様」という認識が広がると、顧客の「心」への配慮が重視されていく。流れを追うと、葬儀業界の進展は顧客サービスの進化であり、同時に死を巡る社会の意識変化だとわかる。

 青弓社、2600円

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27578 0 書評 2018/07/02 05:21:00 2018/07/02 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180626-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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