評・本郷恵子(中世史学者・東京大教授)

『婚活食堂』 山口恵以子著

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 めぐみ食堂は、東京四谷の飲み屋街の端っこにある。カウンター10席だけの小さな店を切り盛りするのは、玉坂恵、50歳。主力メニューはおでんだが、出汁だしをとるのに使った鶏ガラなんかも「スペシャル」と名付けて出してみたら人気商品になった。常連客は骨の間に残った肉を一心にせせったり、しゃぶったりして、しばし無言になる。

 こんな店に夜な夜な集うのは、いい感じにこなれた独身女性たち。ただし、お酒が入ると、こじらせた結婚願望が顔を出す。どんな結婚が望ましいかは誰にもわからない――はずだが、恵には、二人の幸せな前途にともる光が、なんとなく見えるのだ。

 実は恵の前身は、人気占い師レディ・ムーンライト。それがどういう経緯で食堂の女将おかみにたどりついたのか? ビンボーない物は嫌いだと言いながら、おでんの汁まで飲み干す謎の男も絡んでくる。

 社員食堂勤務の経験のある著者らしく、素人だった恵の料理人としての進歩や、飲食稼業の段取りが、リアルに書きこまれている。巻末には四季のおすすめレシピもついてます。

 PHP研究所、1500円

無断転載禁止
32963 0 書評 2018/07/23 05:21:00 2018/07/23 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180719-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail

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