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『真実について』 ハリー・G・フランクファート著

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 アメリカの高名な哲学者である著者、フランクファートは、二〇〇五年に著書『ウンコな議論』で、内容の真偽に関心がない「おためごかし」の論法を徹底的に批判した。しかし、なぜ真実(真理)を大事にしなくてはいけないのか。それが本書の課題である。

 世界に関する情報が不正確なら、さまざまな目標をこなして生きるのは難しくなるし、真実を語らない相手とは親密な関係を築けない。そして真実への敬意は、人間のあり方そのものと結びつく。不透明な現実と対峙たいじし、情報が正しいか否かの判断を続けることで、自分自身の存在を初めて確認できるから。

 原書の刊行時、この議論は、真理の相対性を説くポストモダニズムに対する批判を意図していた。しかしそれから十二年たった現在、政治の世界では、真実かどうかの判断を公然と無視するような「ポスト真実」や「代替事実」の主張が横行している。

 これに対して、一つ一つのうそを丹念に暴き、反論する営みの重要さ。純粋な道徳哲学の理論書であるが、そこに含まれた実践上の意味は、いまやとても大きい。山形浩生訳。

 亜紀書房 1400円

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40002 0 書評 2018/09/10 05:21:00 2018/09/10 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180906-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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