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『民主主義の死に方』 スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット著

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「民主主義の死に方」(27日午前7時41分、東京本社で)=小林武仁撮影
「民主主義の死に方」(27日午前7時41分、東京本社で)=小林武仁撮影

失われた寛容と自制

 「二〇一六年、アメリカ人はただ大衆扇動家を大統領に選んだだけではない。かつて民主主義をまもっていた規範がすでに弱まりはじめていたタイミングで、その選択をしたのだ」

 民主主義の基盤となる三権分立を初めて説いたのは、モンテスキューの『法の精神』だが、著者によれば、憲法や制度だけで、民主主義は機能しない。米国が建国以来、さまざまな問題を克服しながら民主主義を維持できたのは、その制度を機能させるための共通の理念と慣習を「規範」という形でつくりあげていたからだという。対抗する政党間にも「寛容」と「自制」を基本とする「節度」があった。ところが共和党はそれを投げ出し、どんな手段を使っても勝つという戦略をとることによって、激しい二極対立の状況をつくり出してしまった。

 共和党支持者の中核である白人プロテスタントはおよそ200年にわたり、米国の選挙民の多数を占め、経済的、文化的に優位に立つ存在だった。その彼らが今や少数派となり、恐怖感と不安が共和党との一蓮托生いちれんたくしょうの道を選ばせた。トランプ大統領を生む土壌はすでにできていたのである。

 ラテンアメリカなどにおける「民主主義の崩壊」を研究テーマにしてきた著者は、「選挙というプロセスを挟んだ民主主義の崩壊は、恐ろしいほどに見えにくい」と指摘する。トランプは大統領就任後、ロシア疑惑などが問題になると、選挙で選ばれた世界の独裁者と同じ行動をとる。「審判を抱き込む」「対戦相手を欠場に追い込む」「ルールを書き換える」。危惧は膨らむばかりである。

 歴史的事実として、多民族国家において、すべての集団に社会的、経済的な平等が実現したことはないが、米国は民主主義を護るために並外れた犠牲を払ってきた。その米国で、「民主主義がその内側から死ぬことを防がなくてはいけない」と著者は結んでいる。濱野大道訳。

 ◇Steven Levitsky,Daniel Ziblatt=共に米ハーバード大教授。ニューヨーク・タイムズ紙などへ多数寄稿。

 新潮社 2500円

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48638 0 書評 2018/11/12 05:24:00 2018/11/12 05:24:00 「民主主義の死に方」(27日午前7時41分、東京本社で)=小林武仁撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181105-OYT8I50107-T.jpg?type=thumbnail

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