評・服部文祥(登山家・作家)

『サバイバルボディー』 スコット・カーニー著

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 普通の人間が入ったら十数分で意識を失う零度の水風呂に、本書の主人公ヴィム・ホフは一時間以上かっていられる。北極圏の雪上をほとんど裸でジョギングし、同じく裸でキリマンジャロに登頂する。さらには意志で体温を上げ下げし、免疫機能を高めることができると主張する。しかもその能力はトレーニングで誰でも手にできるという。

 まやかしを毛嫌いし、似非えせサイエンスを糾弾するジャーナリストの著者は、ホフのカラクリを暴くため、合宿に参加した。そして逆に効果を強く体感し、そのメソッドに科学的アプローチをして、実体験を交えて報告する。

 簡単にいえば、呼吸法と冷水浴で自律神経系にアクセスするというもの。登山や極地探検の耐寒訓練、高所順応、ヨガの瞑想めいそう水垢離みずごりなど、人がこれまで理屈抜きで実践してきたことと重なり、文明以前の人間の生活記録とも合致し、医学の検証も受けている(特異体質の可能性もある)。

 健康の柱は食事、運動、睡眠とされるが、そこに実はもうひとつ「適度な外的刺激」が加わるようだ。私も冷水浴を始めた。小林由香利訳。

 白水社、2200円

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50387 0 書評 2018/11/26 05:21:00 2018/11/26 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181120-OYT8I50013-T.jpg?type=thumbnail

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