読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

復興と尊厳 内尾太一著

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

評・篠田英朗 国際政治学者 東京外国語大教授

 東日本大震災の衝撃には、時間の流れとともに風化する面と、多様に広がっていく面とがある。9年目を迎える「3・11」は、外から来て被災地に関わった者たちの思いを整理する作業も、生み出している。

 本書は、被災地と長く接してきた「支援者・調査者」による、内省の書である。南三陸町(宮城県)を舞台にした支援活動を行った著者は、支援がもたらす贈与の負債としての性格を、問い直す。南三陸町を調査対象とした人類学者でもある著者は、被災地に対する人類学の有用性も、問い直す。支援の現場に携わった者や、調査の現場を知る者が、共感を覚える言葉が並ぶ。

 「エンパワーメント」などの外来概念や外国人学者の名前が次々と登場する。南三陸だけに関心がある読者であれば、読みにくさを感じるだろう。しかしこれもまた、9年目を迎える3・11をめぐる言説の現状だ。「人間の安全保障」の観点から見て、死者と生存者の「尊厳」は何か? そんな問いを、南三陸の人々が語っているわけではない。だがそれでも、われわれ「支援者・調査者」は考え続けていきたいのだ。(東京大学出版会、3800円) 

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
438062 0 書評 2019/02/10 05:00:00 2019/04/02 16:50:28 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190214-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)