リバタリアニズム 渡辺靖著…評・苅部 直(政治学者 東京大教授)

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 リバタリアニズム(自由至上主義)は、現代の政治思想の諸潮流のなかで、日本人にとって最も縁遠いものだろう。理屈は理解できても、それを支持し実践するかと問われれば、首をかしげてしまう人が多いのではないか。

 現代アメリカで、福祉国家の「大きな政府」に対する批判を通じて盛んになった思想と運動である。自由市場、政府の縮小、社会的寛容を重んじる。政府が個人の自己決定を侵害することに対しとことん争うので、銃規制には反対だが、「アメリカ第一」といった価値観の押しつけには反対する。

 すでに地方政治のレベルでは、州政府から独立して徹底した民営化を推進する市役所を実現させてもいる。「お上」が市民の面倒を見てくれることに慣れた日本人にとっては、違和感のある内容だろう。

 だがそれ以前に、何らかの原理に立脚し、一貫した論理で政治主張を基礎づけるという姿勢が、日本では乏しいことにも気づかされる。その主張に賛成するかどうかはともかく、政府と市民との関係を根本から考察するために、知っておくべき動向である。(中公新書、800円)

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458776 0 書評 2019/02/24 05:00:00 2019/04/02 16:32:50 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190226-OYT8I50061-T.jpg?type=thumbnail

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