パリのガイドブックで東京の町を闊歩する 1…友田とん著

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 評・岸本佐知子(翻訳家)

 何だかよくわからないタイトルだが、大丈夫。なにせ作者にもわかっていないのだから。ある日この謎のフレーズが啓示のように“降りて”きて、それを文字通りに実行してみた記録が、本書なのだ。

 何をどうしていいかわからないまま、とにかく作者はパリのガイドブックを日々熟読し、東京を歩き回る。ムダ?たしかに。だが東京のガイドブックを見て目的地に着けば、それは単なる“答え合わせ”にすぎない。そこから降りたとき、手に入るのは脱線することの豊かさだ。現にこの試みの過程でも、念願のフレンチトーストになかなかありつけなかったり、場所も知らないカレー屋に偶然たどり着けてしまったりといった、本筋と関係ない、でも奇妙に面白い出来事が次々起こる。

 前作『『百年の孤独』を代わりに読む』でも作者は、かの名作を読破するという使命を自分に課しながら、ついつい昔のドラマやドリフのコントに思いをせてしまう。だがその脱線が時に思わぬ実りを読書にもたらすのだ。

 豊かな脱線の中から見えてくるものを追究する作者の旅は、(たぶん)2に続く。(代わりに読む人、700円)

無断転載禁止
690453 0 書評 2019/07/14 05:00:00 2019/07/22 15:21:16 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190722-OYT8I50018-T.jpg?type=thumbnail

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